佰 ページ24
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〜中原side〜
朝から俺の朝飯作って、帽子の手入れの邪魔をして、追い出したかと思えば
全速力で部屋に帰ってきて、勢い良くベッドにダイブ。
……本当に、騒がしい奴
けど寝ちまえば、凄く静かで
早く起きねぇかなって……
寝ろって云ったのは俺なのに
寝ていようと、此奴が居る空間が静かなのが、変な感じがする。
「つーか、毎度毎度
俺の前で簡単に寝やがって……」
無防備……
然も、寝顔は天使
「……」
俺は帽子を机に置いて
有島が寝ているベッドに、そっと近付いた。
うつ伏せで、布団をぎゅっと握る手と
曲げられた細い足に、少し気になるスカートの丈
「……」
そして、顔は横向きにしていて
少し覗けば、見える顔は……矢張り整っている
所謂、残念な美少女って肩書きが似合う奴
俺はベッドに乗り、、ギシッと音を立て乍ら
有島の上へ……
規則正しい寝息と、合わせて呼吸と共に動く身体
俺はゴクリ……と唾を飲んで、有島の髪のゴムを解いた。
パサッと解けた、癖のある髪は
解かれると案外長くて、髪を解いただけなのに
色気がどっと、溢れ出た。
「_____ッ、変わり過ぎだろ……」
俺は有島が起きないのを良いことに、そっと仰向けに返すと
馬乗りの侭、マジマジと顔を見つめた。
「容姿だけは……本当にズリぃよな、有島……」
一束の髪を手に取って、指で弄ると
俺と同じシャンプーを使っているのに、良い匂いに感じた。
そして、髪先にそっとキスを落とすと
『……んー…………にゃ』
「……あ」
バチッと目が合った。
紅茶色の、明るい瞳が俺を捉え
俺は今自分が何をしているか、明確に思い出して
身体が硬直した。
……や、やべぇ!
何してンだ俺は!!
と云うか_____
な、なんて言い訳を……!
「……か、かかっ、髪にゴミが……」
『むにゃ……』
「えっ」
グイッと肘あたりで俺を押し退け、横向きに寝返りを打つと
『ぐー……』
有島はまた寝る。
「_____っ
……く、くだらねぇ……」
俺はベッドから降りると、外套を有島の上から掛けて
また椅子に戻った。
バクバクと、五月蝿い心音を抑える様に
胸に手を当てても、中々に治まらなかった。
〜中原side 終〜
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竜泉(プロフ) - Tsukimiさん» え、本当ですか!? 嬉しみの極みです。 やはりギャグ中心なので読者様には面白いだとか、笑っていただけることが1番嬉しいです。 最近は更新が遅くなっていますが、最後まで読んでいただければと思います、コメントありがとうございました! (2018年1月13日 22時) (レス) id: 388cb5bae8 (このIDを非表示/違反報告)
Tsukimi(プロフ) - めっちゃ面白いです!面白すぎて部屋で1人で笑ってますw (2017年12月31日 17時) (レス) id: 2f51781831 (このIDを非表示/違反報告)
竜泉(プロフ) - 菜緒さん» こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます! あの太宰さんが川で渦に巻き込まれて吹っ飛ばされるやつですね笑 クオリティの低さが今となっては恥ずかしいですが笑って頂けたのなら幸いです笑 コメントありがとうございました (2017年12月9日 22時) (レス) id: 388cb5bae8 (このIDを非表示/違反報告)
竜泉(プロフ) - 団子さん» コメントありがとうございます、物語も佳境に入っていますが最後までこのテンションを崩さずに書けたらなと思います! 更新が遅気味ですがこれからも読んでくださると嬉しいです! (2017年12月9日 22時) (レス) id: 388cb5bae8 (このIDを非表示/違反報告)
菜緒(プロフ) - 初めまして、捌拾玖のやすいイラストありがとうございますwwwwめちゃくちゃ笑いました (2017年12月9日 1時) (レス) id: bdab7214de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜泉 | 作成日時:2017年6月26日 8時