飽く迄も一般人を貫き通す-参-

玖拾参 ページ17

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『東京で云う表参道の大通りか

確かに目が付きやすいし思い切り表の世界って感じですね』




その後実際に場所の下見に行けば、条件としては中々良い場所だと思う





中原「土地と建物の建築費に備品、固定資産……

そこそこの資本金が動くな」

『嗚呼、卒業したのに聞きたくない単語ばっかり……』

中原「あ？ 手前も書類纏めろよ。」






帽子の下から覗く鋭い眼光から目を背け、私は中原と反対側……

建ち並ぶ洒落た街や人の観察を始めた。









『……ん？』



ふと、向かいのブティックから出て来たのは何とも見たことがある……

えっと、あっ！


探偵社の与謝野晶子さん！！




ラッキー、奇遇じゃん話し掛けちゃおうかないえーい！！






『うぐッ』

中原「行かせねぇぞ？」

『ぐるじぃ……』

中原「探偵社は敵であり、手前を取り合った組織だぞ？

易々と接近されると困る」

『ぞうでじだ、ずみまぜん』

中原「判りゃ良い」

『はあー、首が雑巾の様に絞られるところだった』







六回捻れた首を如何にか治して、掌で摩る

気管支が危うくぶち切られるところだった、危ない。








中原「……却説、こんなものか

帰るぞ」






中原が手元の資料を封筒に入れ、懐に仕舞うと

私のネクタイを引っ張ってくる




だから首を狙うな、苦しいだろ。






『え？もう？ 私もあのブティック気になるんですけど』

中原「はあ？ 帰るぞ？」

『一寸だけ！』






与謝野さんが出て来たブティックを指差し、私は中原の腕を掴んだ





中原「っ、」

『何？ あ、ごめんね握って』

中原「糞っ、少しだけだからな」

『やった、ありがとうございます』





私は駆け足でブティックに駆けて行く

高校と違って専門学生は私服だから、買うのは大変でも少し楽しみにしていたり……


入学前に洋服を買おうと思って、けどマフィアに入って普段から似た服ばかり




私だって、女


私服くらい見たいし、欲しいものである。







中原「チッ、この場面で笑顔になるとか反則だろ……」

『どんなのが良いかな……』

中原「買うのか？見るだけって」

『すぐ済ませるしか言ってないですよ私』




畳まれたら服に手を伸ばして見ながら、隣の中原にはちゃんと返事を返す

優しい有島ちゃん。









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