飽く迄も一般人を貫き通す-参-

捌拾漆 ページ11

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それから二人でのいちゃいちゃタイムが始まったので、邪魔者(娘だけど)は退散。





『お父さん、先帰るからね

夜ご飯作る』

父郎「おお、やった！

Aの作る料理は美味いからなあ！」

『何食べたい？』

父郎「ボンゴレビアンコ！」

『ちっ、もっとマシなのにしろよ……』

父郎「え、今舌打ち……」

『却説、材料の買い出し行ってきま〜す』

母美「ママも食べた〜い」

『……』




私は病室から出ると、何時も使うスーパーへ足を進めた。


パスタから蜊、葱と香辛料以外の材料を全て揃えなくてはいけないので

溜息は絶大である。









『まぁー、仕方無いか

家の大黒柱さんを喜ばせてあげなきゃな』



沸々と沸き上がる愉快な気持ち

料理は何時だって、食べてくれる人が笑顔になってくれれば良い。






『よし、着いた』



スーパーの入口にあるカートに籠を乗せると

頭の中でボンゴレビアンコのレシピと使う材料をざっと想像し乍ら、最初に野菜売り場へ



次に、海鮮売り場

パスタ等の乾物から、缶詰の売り場



どんどん必要な物だけを籠に入れていき

最後にオリーブオイルを探しにカートを押した。






『……ん？』


見た事ある金髪が一人



サラダ油の詰め替え用を片手に、手帳を見つめていた。





『……あ、くにっきー！』

国木田「誰がくにっきーだ！！」

『この下り、最早恒例行事』



長い髪を稲妻の形にして怒る国木田さん

其の懐かしさと安心感に、少し心が安らぐ。




国木田「敵対組織とこんな場所で八合わせるのは予定に入っていないが？」

『敵対組織とか寂しいからやめようぜ』

国木田「……

貴様は何時も此処の店を使うのか？」



国木田さんはサラダ油を棚に置いて、手帳を片手に私に問うた。



『そうですね、セールは多いですし最寄りですし』

国木田「そうか、来る時間帯は？」

『夕方が多＿＿＿＿

若しかして、避けようとしてます？』



国木田さんが私にそんな質問をするとは珍しい

そして絶対良くない事を考えてる


私は最後迄云うのを止めて、逆に質問を返した。




国木田「災厄は事前に防ぐ迄だ。」

『さ、災厄……』



私を災厄呼ばわりした上に

偶然でも私と逢わない気か


何だ、寂しいじゃないか






『……私は逢いたいですけどね』









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