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病院に着いた。
案の定福田Aは新型コロナウイルス陽性。

医者から隔離方法等を伝えられてAちゃんと無言で家に帰った。



その間は虚無に襲われていた。

道端に咲いている春花を見ても居心地がいいなんて言えなかった。






「コロナ陽性です。軽傷ですので自宅療養となります」

居酒屋で倒れたあと、目を覚ませば真っ白な病室だった。
もう夜間で蛍光灯の白さだけが鮮やかに光っている。

須貝さんからのメールを確認していると、
慎重な趣きのふくさんが迎えにきてくれた。

きっと私となんてもう話したくもないだろう。
…コロナが治ったら別れよう…。

ジワっと涙がこみ上げてきた。
しょうがない…しょうがない…。また浮気されて傷つくのは私だし、ふくさんも私と付き合っていた方が不幸だ。

もう…唱えて唱えて…自分で洗脳して…

街灯の光が当たった道路に丸くなった涙が落ちた。







「必要なものがあれば言って。」

家の中でマスクをしたふくさんがそう告げで私の部屋の扉を閉めた。
バタリ。と少し音を立てて閉められると、自室は私1人だけだと嫌でも感じる。

ピンク色のベッドにうつ伏せで倒れた。
ズッと沈んでいくようで起き上がれない。
それは倦怠感のせいか、疲れのせいか…。そんなどうでもいいことを考えて目を閉じた。







ドアノブから手を離した瞬間、扉の前に夜風が一筋吹く。

それが俺とAちゃんの決別のようで、どうしようもない孤独に襲われた。

干されたままなびく洗濯物。
都から届いた支給品の段ボール。
街灯の明かりに照らされた室内。

まるで2年ほど前の一人暮らしのようだ。

『Aちゃんはいるけど会えない。』

その決別だけが、今日俺が言ったことを許さないようで、その場に座り込んだ。


悪かった…ごめん…ごめんね…

Aちゃんは心配してくれただけだもんね…

すまなかった………


自分の手をひどく握りしめて何度も扉の向こうに謝った。

フローリングの上に落ちていく涙を見ることはできなかった。










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ピーチフラペチーノ(プロフ) - 林檎さん» わ~!ありがとうございます(๑>◡<๑)どうぞディスタンスカップルを引き続きお楽しみください♪そう言ってもらえると更新の糧になりますᕦ(ò_óˇ)ᕤ (2022年12月23日 0時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 好きすぎますッッッ‥!!!ふくちゃんもfkrさんも頑張って、! (2022年12月22日 22時) (レス) @page16 id: 4ad8b0fd3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピーチフラペチーノ | 作成日時:2022年12月11日 16時

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