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冷蔵庫からあるものを取り出して、再び紙袋の前に座った。
「駿貴パパ…？」
困惑で涙も止まったあいはそれを開封した。
中身は、クッキーだ。チョコ、いちご、プレーン…不格好ながらも色とりどりのクッキーが透明な袋にラッピングされている。
「俺も…」
「？」
「パパさ、実は最近忙しかったの、仕事じゃないんだ。」
「え…」
「俺、バレンタインに何か作りたいなと思って山森さんに頼んで特訓してたんだ。だいぶ寝不足になっちゃってさ…それで心配かけて、ごめんな。」
あいはまた泣いた。けれど今度は満面の笑みだ。
…初めて見た。
こんなに感情をぐちゃぐちゃにしたあいは。
「しゅんきぱぱのばかあぁ…こんなっ、あいはいらないよぉ〜」
「え〜…おれ、頑張ったんだけどなぁ〜…」
あいの頭を胸に沈めて、俺も泣いた。抱きしめた体温は暖かった。
保護施設まで迎えに行った時とは大違いだな。あの時はもっと冷たかったなぁ…。
「あいは…もっといっしょにいたいぃ…」
その言葉を聞いてハッとした。
そうか。そんなことにも気づかなかったのか俺は…。
「パパも、一緒にいたいっ！」
気持ちって物じゃないって言う人いるけどさ、
俺は物を送ることは気持ちの具現化だと思っていた。
違うな。
そっか。気持ちが伝わってなかったら、物も意味ないよな
「あい、一緒にいようね。」
「やくそくっ！」
その約束を交わした2月13日。
それからあいはみるみる成長して、
現在、
中学1年生。
次節、第1章最終節
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作者名：ピーチフラペチーノ | 作成日時：2022年9月17日 11時
