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自動ドアをくぐるとふわっとした温風が体を包み込む。
暖房が効いた店内は冬スポーツグッズを買いに来た客で賑わっている。
あいは所狭しと並んだグッズ達に目を輝かせ、志賀は早速陸上コーナーを探していた。
「あった。ここじゃないですか?」
高い天井の半分くらいにまで展示されている陸上シューズはどれもかっこよくて選びきれないほどだった。
「あい…何買えばいいかな」
「店員さんに聞いてみましょう」
志賀にもどれが良くて何が合わないのかさっぱりなので忙しそうな店内から細身の男性店員をつかまえた。
「そうですね〜…」
あいの足のサイズを測った店員はその小ささに少し頭を悩ませた。
あいの身長はとても低くて110cmほどしかない。
その足となれば、普通のスポーツ量販店に売っているのか。
「こちらになりますが…」
箱からあいの足より少し大きい靴が出てきた。
「すぐ成長してこのサイズにぴったりになると思いますし走るのにも支障はないと思いますよ」
それはそうかと藝術大の志賀はあいが試着するシューズのデザインをじぃっと眺めていた。
輝かしいビビットなイエローカラーでスタイリッシュなシューズは早く練習したくなる。
あいは黄色いシューズに心を奪われたように気に入った。
「黄色が好きなんですか?」
「…え?」
「貴方、パーカーの色も黄色でしたよね」
「うん…、
好き…というか、あいにはこれだけだから……」
「はい?」
最後の方が良く聞き取れなかった志賀は聞き返すもあいはさっさと次の商品を買いに行った。
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ピーチフラペチーノ(プロフ) - yuriori12911さん» ご指摘ありがとうございます!すみません全然気づいていませんでした…!すぐ修正します。 (2022年9月25日 18時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
yuriori12911(プロフ) - 多分仮名に あい が登録されているので、「あいつ」の あい が、名前に変換されています。確認してくださると嬉しいです。 (2022年9月25日 4時) (レス) id: 4df0e29a7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピーチフラペチーノ | 作成日時:2021年1月1日 23時