___ ページ19
・
「すみません!ここでおります!!」
少ししわの着いた千円札を置いてすぐに走り出す。
運転手のお釣り!という声を置いて街灯に照らされた少し薄暗い道を走り出す。
あの子を考えると、居ても立っても居られない。
ずっとずっと考えるんだ。
どうしてあの子は俺を選んだのか
「そんなん、知るかよ……」
荷物の重さと、肺に入ってくる冷たい空気でもう足が痛い。
走ったことで体の内側から熱が込み上げて、でも皮膚は冷たくて、
寒暖差が変な感じだ。
「でも…行って…やらなくちゃ……」
鼻水やら汗やら涙でぐしゃぐしゃになって転けそうになっても、
あの子を……
「あっ、!」
反射で出た声と同時に視界がグンッと揺れる。
重い荷物とともに雪で滑って転んでしまったようだ
鼻血なんて知らない。
赤くなった指先も知らない。
肩下げの重い荷物を背中側に持ち直す。
もう少し、待っててくれ…!
・
112人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピーチフラペチーノ(プロフ) - yuriori12911さん» ご指摘ありがとうございます!すみません全然気づいていませんでした…!すぐ修正します。 (2022年9月25日 18時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
yuriori12911(プロフ) - 多分仮名に あい が登録されているので、「あいつ」の あい が、名前に変換されています。確認してくださると嬉しいです。 (2022年9月25日 4時) (レス) id: 4df0e29a7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピーチフラペチーノ | 作成日時:2021年1月1日 23時