「霧雨」 ページ2
「お前、なんで空から落ちてきたんだ?」
白黒の格好をした金髪少女が、前に視線を向けながらそう質問してきた。ちなみにボクは、箒から落ちないようにと彼女の腰に手を回している。下を見てみると、木が沢山並んでいるのが分かる。空を飛んだことのない私にとって、心を高鳴らせるのには充分だった。
ボクはそんな自身の思考を読み取られないようにしながらも、問いに答える。
『...変な裂け目に落ちた』
普通の人ならちんぷんかんぷんな内容である。
語彙力がないからしょうがない。
だが、彼女には偶然にもその言葉の内容が伝わっていた。
「変な裂け目?あぁ、紫のスキマか」
そんな私に分からない単語を出した後彼女はバッと後ろ、ボクの方向を見た。ボクは突然の出来事に驚いて、少しだけ表情を崩す。
「てことは、お前外来人か!?」
『がいら...え?』
「服装もどこか変だなと思っていたが....なるほどそういうことか」
む。
服装が変とは失礼な。
ボクは、白いTシャツにチェックのスカートという普通の格好だ。
貴女の方が変な格好じゃないか。
というか今更だが、彼女は黒い尖り帽子を被っていし箒に乗って飛んでるし...魔法使いみたいだ。
「それじゃあ、行き先を変えるぜ!」
『...何処に?』
「紅魔館だ!!」
ボクにはピンと来ないのだが。
そもそも、行き先が何処かすら知らなかった件について。
箒を先程とは反対の方向に操作して進めた彼女は、そんなボクの思考を読み取る様にして紅魔館とやらの説明をし始めた。
「ま、着いたら分かるぜ」
前言撤回。
説明なんてしてくれなかった。
その時、ボクはとあることを思い出して口を開いた。
『...A』
「ん?なんだ?」
『ボクの名前。自己紹介するの忘れてたから』
ボクがそう言うと、彼女は笑いだした。
その影響で箒のバランスが少し崩れる。
ボクは彼女の腰に回している手に、ぎゅっと力を込めた。彼女はそれに気付いたのか「悪い悪い」と言いながらバランスを直す。そして前を向きながら弾んだ声でボクに名前を教えてくれた。
「私の名前は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ!」
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あや(プロフ) - ( ^o^)<ンンンンンンンンンンンンンンンwww (2018年5月20日 11時) (レス) id: be165192c8 (このIDを非表示/違反報告)
うつつのゆめ(プロフ) - それな( ^ω^ )w (2018年5月19日 20時) (レス) id: d8a3536a8e (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 二人してテンションどうしたよw (2018年5月19日 9時) (レス) id: be165192c8 (このIDを非表示/違反報告)
うつつのゆめ(プロフ) - ありがとォォォございまァァァす!! (2018年5月19日 9時) (レス) id: d8a3536a8e (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ふぁあァァァァァアァァァァァアァァァァァアァァァァァアァァァァァアァァァァァすげえ語彙力の塊だ! (2018年5月19日 9時) (レス) id: be165192c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うつつのゆめ | 作成日時:2018年5月5日 8時