【文スト】彼にあれこれやってみる。

File5.小説書いてみる。 ページ7

«うっふふふふふ……見ちゃいましたよ、貴女が書いてる小説……

さぁ、彼に公表してしまおう！！»

『やっ、やっ、やめてぇぇぇぇ！！
うぁぁ、見ないでくださぁぁぁい』





【中島敦さんの場合】



「何これ、Aちゃんが書いたの？」


興味津々です。そうやって目を輝かせる彼から、無下に小説を奪えますか？彼は読みながら顔を赤らめたりふふっと笑いをこぼしたりしています。読み終わると、優しく頭を撫でてくれたり。


「面白いね。流石Aちゃん」





【太宰治さんの場合】



「へぇ、恋愛小説かい」


パラ読みしてからそう云われ、貴女は恐らく赤面するはず。でも太宰さんは気にしていない様子で「君らしいじゃないか」と云ってくれます。そして仕事を無視して読んでくれます。


「随分と恋愛描写が多いね。私が君にしてあげようか？」





【芥川龍之介さんの場合】



「ほう、貴様が書いたと云うのか」


手に取り乍らそう云います。絵になってますね。しかし、暫くしたら顔を真っ赤にして小説を投げ出します。芥川先輩は意外に初心なのです。


「………僕は少し遠慮させて貰おう」





【中原中也さんの場合】



「Aが書いた小説？手前そんなことも出来たんだな」


まず感心されますね。しかし彼は仕事で疲れています。きっと寝落ちするでしょうから、貴女は彼に毛布を掛けがてら寝言を聞いてみては？執筆した覚えのあるあの台詞が……


「A………一生、離さない」





«うんうん、楽しかったですね！

それはそうと、私、諸事情で28日迄貴女に命令出来ないんです。

すみません、A»

『寧ろ嬉しいですが……あまり遅いのは困りますよ？』

«承知の上ですよ！終わったらまた命令を聞きなさいね»

『う……』

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