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その距離 48cm ページ3

「化学のテスト学年4位だったさ笑」

「りくって理数だけ異常に強いよね」

「英語下から7番目」

「他はくそだけどね!!」


テストも終わり今日から私は部活が始まる。


「サッカーマネって何するの」

「…ボール拾いとか」

「Aが?笑 下手くそそう笑笑」

「失礼な!私はボール拾い得意です」


次の体育のためにジャージを探すもどこにも見当たらない。


「あ、あれ…」


バッグの中はもちろん、後ろのロッカーにもかかってない。


「まさか、忘れた?」


りくにそう言われて汗が止まらない。
や、やばくないですか?
体育の森下に怒られるよ?怖いよ?


「貸す?」

「クラス違ってよかった!!!」

「嫌な感謝のされ方だな笑」


りくからジャージを借りて更衣室に行く。


「あれ、Aさん。彼ジャーですか?」

「彼氏じゃありません。幼馴染です」

「彼氏みたいなものじゃん!しょっちゅう教室来てはAと話してるし放課後も毎回お迎え来るし?極めつけは登下校二人乗りだし?カップルでしょ」


着替えを始めるなり和夏に声をかけられた。
確かに話だけ聞けばカップルだ。
でも、実際そんな雰囲気なんもない。
自転車に乗れば重いってうるさいし
教室に来てもYouTubeの話しかしないし
放課後のお迎えだって私が手伝いから逃げないように監視してるだけ。


「あのね、幼馴染ってやっぱり結ばれないんだよ」

「え〜、私としては憧れるけどなぁ。
幼馴染恋愛♡」


和夏って妄想だけは完璧なんだから…。
実際に体験してもらいたいくらい


グラウンドに行く途中、教室の窓から顔を出していたりくと目が合った。


(が、ん、ば)


そう口が動く。
りくの匂いがするジャージの袖をぎゅっと握った。


普段はしないツインテール。


今日は堀内の名前を消すために。

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作者名:そよ | 作成日時:2019年4月9日 22時

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