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脳内を何度フル回転させてもきっと答えが出ないような問題だわこれ。
言葉の真意がわからん。
文系だよな?俺。
としみつ「えーっと…」
もはや顔すら見れんくなった俺は、近くにある雑誌の表紙をガン見しながら言葉を選ぶ。
いつしかキスしたその唇が、ぷっくりと俺を惑わすのが視界の端っこでわかる。
としみつ「それは、どういう…」
A「ふふふっ」
としみつ「え?」
Aの突然の笑い声に、ぱっと顔を上げた俺。
クスクスと笑い続けるA。
わけわからん。
A「ふふっ、本当面白いですよね、としみつくん」
としみつ「俺なんか面白いこと言った?!」
A「だってピュアなんですもん。からかいたくなっちゃう。」
としみつ「え…」
A「嘘ですよ、うーそ!ジョークでーす!」
俺、今遊ばれとった?
悔しさ半分、落胆半分。
としみつ「はいはい、俺はどうせ馬鹿だわ」
A「馬鹿って言ってないです。ピュアって言ったんですよ〜。」
外の天気とは打って変わって太陽のようにカラッと笑うA。
としみつ「はあ…」
A「なんでため息なんですか?」
としみつ「だって散々やん俺。」
Aがいたずらっぽい笑みを浮かべて首を傾げる。
としみつ「好き…Aが。多分、どんないじわるされても好きだわ。マジで。」
これは告白じゃない。
想いを伝えたいわけでもない。
俺の中の終止符だ。
としみつ「だけど手に入らんって分かったわ、思い知らされたわ。」
A「…としみつくんは私の表面しか見てないですもん」
としみつ「え?」
A「本当の私、何も知らん。知る気もない。としみつくん、臆病だから。」
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作者名:するめ長官 | 作成日時:2019年7月7日 16時