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としみつ「Aっ、」


A「私………!」


りょう「違うよ、A」


Aの涙は止まることなく頬を伝っていく。


A「ごめんなさい、私…迷惑でしたよね…!ごめんなさい…!」


りょう「そういうことじゃなくて」


A「ごめんなさい…ごめんなさい…!」


てつや「いや、俺が悪いから」


あの音はスマホを落とした音だったらしい。


Aは涙を手で拭って、そっと落ちたスマホを拾うと、少し深呼吸をした。


A「私、辞めます。今までありがとうございました。」









Aがスタジオを出ていってから1時間が経った。


誰も口を開くことも無く、撮影日なのに撮影が進むこともなく。


沈黙が、続く。


俺も顔を上げることも無く、


何も無いテーブルを、ただただ見つめた。


何を言ったらいいのかも、わからん。


俺が全て間違いだった。


俺がAをここに誘わなければ、まずこんなことにはなっとらん。







虫眼鏡「…ここでこうしてたって何も解決しないよ」


長かった沈黙を破ったのは虫眼鏡。


しばゆー「うーん…」


りょう「Aの今後については置いといてさ、まず謝ろう」


てつや「俺がまず謝る。俺が悪かった。」


としみつ「いや、俺も…」


虫眼鏡「誰かが悪いとか無いと思うよ、僕は。…男女なんだからいつ恋心が芽生えるかなんてわからんやん。」






珍しくポエミーなことを虫眼鏡が言うから、


俺の視界は思わず潤んだ。


東海オンエアで良かった、なんて思った。

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作者名:するめ長官 | 作成日時:2019年7月7日 16時

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