愛した貴方と愛される私。【東海オンエア】

delusion ページ8

りょう「Aはさ、高校の時から文章を書く仕事に就くのが夢だったでしょ。」


A「うん。」


りょう「だから俺めちゃくちゃ応援しとるよ。やっとライターとして売れてきたし。」


A「ありがとう。」


りょう「俺らは動画の仕事しとるけど、それでもやっぱAとか虫さんみたいに文章が書けるっていうのは羨ましいよ。」



ストレートな褒め言葉に少し恥ずかしくなる。



りょう「コラムも記事も全部読んどるよ。」


A「えっ？そうなの？」


りょう「勿論。大好きな友達の仕事だからね。Aだって東海オンエア見てくれとったでしょ？」


A「うん…」







そういえばてつやと別れてから1本も動画を見てないどころか、YouTubeさえ開いてない。




てつやの楽しそうな顔なんて、みたくない。

私がおらん世界で生きてて楽しいなんて、信じたくない。

それを目にしてしまったら、私の心は本当に腐り果ててしまいそうで怖い。





きっとてつやは、これから別の人と笑って泣いて、

喧嘩して、愛し合って、キスをして、同じ布団で寝て…。




私とは別の人生で、幸せに暮らしていくんだね。

そんなこと想像したくもないのに、

勝手にどんどん頭の中に出てきてしまうのは何故？









私にもいつかできるのかな。

そうやって、別の人と愛し合うことが。






りょう「考えるのやめなよ。」


A「え？」


りょう「ご飯美味しいでしょ？」


A「うん。」


りょう「だったら食べることに集中しなよ。」


A「うん…そうする。」

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