検索窓
今日:18 hit、昨日:2 hit、合計:53,580 hit

coffee shop ページ34

自分でも自分がわからん。


気持ちの整理がつかんくなってきた。


てつやのことをまだ好き?


それとも、次に進みたい気持ちが大きい?


自問しても自問しても、答えと出会うことはない。


家で一人布団に寝そべれば、寂しい気持ちや不安が次々と押し寄せてくるのに、


ひとたび街を歩けば自分の悩みのちっぽけさに呆れて、全てがどうでも良くなる。


答えが出る日は、いつか来るのかな。









カーテンの隙間から覗き込む朝日に目を細めれば、

スマホが通知音を鳴らす。



こんな朝早くから誰だろう?

画面を見ると、

予想外の人物からのメッセージがそこにはあった。



てつや話そ









シャワーを浴びて、丁寧に丁寧にメイクをして、アイロンで髪の毛を整えた。


近所の喫茶店に入ると、帽子を目深に被ったてつやがカウンターにおった。




A「…てつや」


てつや「あ、ごめん。呼び出して、」


A「大丈夫だよ」



腰掛けてコーヒーを注文すると、てつやが私にパチン、と両手を合わせてきた。



てつや「すまん!!俺本当にデリカシーないし気遣いもできんし…あの後りょうにもめちゃくちゃ怒られた。」


A「りょうくんにも?」


てつや「うん、よく考えたら俺本当自己中だわ。マジ最低だった」


A「そんなことないよ」


てつや「…結婚のこと、Aはどう思った?」


A「…ショックだったよ」


てつや「ですよね…簡単にAの耳に入ること、想像しとらんかった俺が悪い…」


A「ううん。」


てつや「ごめん。」




頼んだコーヒーが来て、いい香りが私を包む。


それを胸いっぱいに吸い込んで、私は息をついた。




A「もう大丈夫だよ」


てつや「へ?」


A「私、もう大丈夫だから」


てつや「あ、そう…なの?」


A「もうあなたのことを好きじゃないし、」


てつや「…うん」


A「私のことはほっといて」


てつや「…分かった」




静かに立ち上がってお金を置き、出入口へとスタスタ歩いて帰っていったてつやの事を、


ほんの一瞬だけ呼び止めようか悩んだ。





だけど、自分でも何が言いたいか分からんくなって、やめた。








本当は、「結婚おめでとう」って、


言ってやりたかったのに。

anxiety→←return trip



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (51 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
221人がお気に入り
設定タグ:東海オンエア , YouTuber , YouTube   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

するめ長官(プロフ) - ynoさん» ありがとうございます!内容や設定など細かいリクエストがあったらお返事お願いします。 (2020年1月14日 2時) (レス) id: 24a832e753 (このIDを非表示/違反報告)
するめ長官(プロフ) - なぁさん» ありがとうございます!いつかザ・ハッピーエンドなお話をかけるようになりたいですw次回作もぜひお願いします!!! (2020年1月14日 2時) (レス) id: 24a832e753 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - お疲れ様でした!するめさんの作品は最後最高にハッピーエンド!って終わるありがち(それも大好き)ではなく、憂いを含んだ終わり方をするので心に残ります…!次の作品も楽しみにしております! (2020年1月13日 23時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
yno(プロフ) - としみつくんのお話リクエストさせてください! (2020年1月13日 20時) (レス) id: 1647da2641 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:するめ長官 | 作成日時:2019年12月16日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。