今日も隣に。【東海オンエア】【としみつ】

#電話 ページ12

A「あのー、ちょっとー？おーい！起きて〜」


時間が時間なので、そんなに大きい声も出せません。


そう思った瞬間、


としみつくんのものらしきスマホが鳴り出しました。


A「あの、ちょっと？電話…」


気持ちよさそうな寝顔。


確かとしみつくん、すごく寝起きが悪いはずです。


昔、水溜りボンドとのコラボで全然起きなかったとしみつくんを思い出す。


遠慮がちにスマホの画面を覗くと、「りょう」の文字。


この時間に電話するりょうくんも不思議です。


コール音は鳴り止みません。


これ、私出てもいいかな…


電話に出て、助けに来てもらった方がいいような気がします。


私1人の力じゃ運べないし、鍵は持ってるだろうけど勝手に部屋に運ぶのも失礼だろうし…


A「電話出ますよー？」


相変わらずの爆睡。


スマホを手に取って、恐る恐る電話に出ます。


A「あ、もしもし」


りょう「え？あれ？えっ、この携帯…」


A「あ、えっと…この間イオンでお会いした者です」


りょう「ああ！ご近所さんの！！…としみつと一緒ですか？」


A「あ、一緒っていうか…」


事情を説明すると、りょうくんはケラケラと笑った。


りょう「ははっ、そんなことあります？」


A「あの、良ければ助けて欲しいんですけど…私1人じゃどうしようもないですし」


りょう「じゃあ急いで向かいますね」


A「ありがとうございます！！」


そう言って電話を切って、としみつくんの顔をもう一度見るけど、やっぱり爆睡で。


冷静になったら私すごいことしてます。


としみつくんの携帯でりょうくんと喋ってしかも呼びつけるなんて、


天罰がくだりそうです。


静かな夜、月を眺めながら、


寝ているとしみつくんの横でりょうくんを待つ。


本当、変な気持ちです。


岡崎に来るまでこんなこと予想もしてなかったから。

#鍵→←#深夜の音

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す