芸能人みたい。 ページ20
りょう「ええ?そんなことあった?」
A「えっ!りょうくんも覚えとらんかったの?!」
りょう「全く。」
A「なんだあ〜心配して損した〜!」
虫眼鏡「もー。そういうトラブル的なキスか。びっくりさせんでとしみつ。」
としみつ「トラブルかー?あれ」
てつや「俺そん時どうしとった?」
としみつ「トイレ行っとった」
ゆめまる「で?で?どういう流れで??」
てつや「ゆめまる興味津々かよ」
A「やだ!詳しい話とか聞きたくない!あーあー!!」
としみつ「分かった分かった、言わんから」
なんか少し、としみつのポンコツさに救われた。
心のつかえが取れたような気がした。
良かったわ、こいつがバカで。
「Aさーん撮影始まりまーす!」
A「あっ、はい!」
何度カメラの前に立っても緊張する。
だってここは、てつやの家でも東海オンエアのスタジオでもない。
アウェイな気がしてしまう。
ドクドクと心臓が波打つ。
照明が眩しい。
他人に施された化粧、プロのヘアメイク。
女ならこういうの、1度は憧れる。
芸能人みたいだなんて考えたりして。
だけど実際はそんなに上手くいかん。
指示通りに体を動かしてポージングをとる。
カメラマンの背後にてつやの顔。
パシャリ、シャッターが降りる瞬間目が合って、
てつやの優しい瞳に吸い込まれたような気がした。
「AさんOKでーす!」
その声がスタジオ内に響くまで、てつやはその場から動かんかった。
ずっと、私を見つめとった。
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作者名:するめ長官 | 作成日時:2019年8月9日 18時