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No.108 尊side ページ13

階段を降りながら、ふと今は深夜の二時だったことを思い出した。

真夜中に薫が一人で帰ることはしないだろうが何処にいるのだろうか。

一階に降りるとそいつはいた。

ソファーに座って、外の景色を見ている。

月の光に照らされて薫はとても綺麗に見えたが、その表情はとても虚ろで人形のように見えた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ああ……また、そんな顔をしてるのか
 
 
 

 
 
 
 
 
 
「!?」

周防は目を見開いた。

今のは自分が思って言った言葉ではない。

まるでもう一人の自分が言ったような感じだった。

その瞬間、急激な頭痛が走ったと同時に、おかしな映像がフラッシュバックした。
 
 
 
 
 
暗い、部屋に一人、虚ろな…少女
 
 
 
 
 
それは今目にしている光景ととてもよく似たものだった。

頭がふらっとし、手で押さえながら壁に寄りかかると薫がこちらに気づいた。

『尊?…なに、してるの?』

「いや、酒で頭痛がしただけだ。お前こそ、何してんだ」

『ちょっと、酔いを覚ましてただけ』

「…………」

『もう戻るね』

薫がソファーから立ち、横を通りすぎようとしたところを周防は腕を掴み、抱き締めた。

『っ!……みこと』

「………」

『……どうしたの?』

「……」

周防はなぜだか薫を抱き締めなくてはならないと思った。

一人にしてはいけないと思った。

頭に突然流れてきたあの映像を見た後、そういう気持ちでいっぱいになる。

薫が自分の腕の中から離れていかないよう強く抱き締める。

『っ、い…たい…よ』

「……」

『尊、本当にどうしたの。もしかして、まだ酔ってる?』

確かにまだ酔っているのかもしれない。

だが、これは酔っている酔ってないは関係ない。

ただ、そう思ったから抱き締めたのだ。

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設定タグ:アニメK , 周防尊   
作品ジャンル:アニメ
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くるみ - すごーく面白かったです!尊のさりげない優しさとかがものすごく格好良くてやっぱり尊もkの中ですごく大好きなキャラです!更新ものすごーく楽しみにしていますね!!頑張ってください!応援しています!! (2018年8月6日 21時) (レス) id: 31ba52f844 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華 - 面白かったです!いつ美咲立ち出てくるかなーとワクワクしながら更新待ってますんで頑張ってください! (2017年8月14日 22時) (レス) id: fc6d2df095 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 主人公が大食いなのが意外で面白かったです。これからも体に無理しない程度頑張ってくださいね!。 (2017年7月3日 17時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 尊と主人公の関係がすきです。あとそろそろ尊が赤の王になる話か宗像が出てくる話が読みたいです。これからも頑張ってくださいね。 (2017年6月26日 17時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルコバレーノ | 作成日時:2017年5月9日 0時

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