No.80 尊side ページ33
いつの間にか昼過ぎになっていた。
少し歩く速度を速め、薫と草薙が待つホムラに向かう。
『あっ、お帰りなさい尊』
「ああ……………あ？」
尊は一瞬、目の前にいる彼女が薫だとは気づかなかった。
目が完全に隠れるほどあった前髪はさっぱりとし、元々綺麗だった目が露になっている。
髪型もロングヘアからハーフアップへと女性らしい姿になっていた。
しかし、服装は草薙のブカブカのワイシャツとズボンを着ている格好なので以前と変わらない感じがしてしまう。
「どうや？尊、俺も驚きやわ。薫ちゃんがこんなにも可愛ようなるとは思わへんかったわ」
『は、恥ずかしいですよ草薙さんっ！』
顔を真っ赤にしながら草薙にポカポカと弱々しく叩く薫の後ろ姿を見ながら、結び目に大きな青いリボンがついていることに気づいた。
「それ、どうした」
尊に言われて薫は後ろを振り向き、その視線を辿って自分の髪に付いているリボンのことだとわかった。
「ああ、それは前の文化祭の時使わなかったものや。ちょうどええかなっと思って付けたんや。元々可愛い顔立ちしとったからな、めっちゃ似合っとって驚いたわ」
「ふーん」
「ああ言うの忘れとったけど薫ちゃん、夏休みの間ここでバイトすることになったからな」
「は？」
実にあっけらかんな声が出てしまった。
『じっ実は…私の貯金ちょっと危ないかもしれないの』
「なんで」
『なんでってそれは…』
「はぁ……、薫ちゃんが尊の分まで弁当を作ってるからや」
「……」
『だ、だから夏休みの間だけここで働くことになったの。草薙さんのおじさん……水臣さんも了承してくれたし。時々にしか開けないって言ってたから。ね？いいでしょ？』
「わかった。好きにしろ」
『ありがとう、尊』
「そう言えば、帰り随分と遅かったな。何処をぶらついとったんや？」
「……変なガキに合った」
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ミリア - 続き楽しみです！。尊がカッコ良かったです。これからも応援してます。頑張ってくださいね！。 (2017年7月4日 16時) (
レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
凪花(プロフ) - 続きがとても気になります！更新頑張って下さい！ (2017年3月4日 20時) (レス) id: 254f4e5b63 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 是非に尊さんに編み物を(笑)見てみたい。 (2017年1月30日 23時) (レス) id: f0199973b0 (このIDを非表示/違反報告)
紫音 - 続き楽しみです(。・ω・。) 応援してます！ 尊さんかっこいいですね(//∇//) (2016年8月17日 23時) (レス) id: cc3993d316 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルコバレーノ | 作成日時：2016年4月30日 0時
