IFストーリー 姫と騎士:周防 尊9 ページ25
外に行くと宗像の言う通り薫がいた。
薄ピンクのドレスとバラの髪飾りが薫をより美しくさせる。
少し生暖かい風に当たりながら、小さく点々と光る町並みを眺めている薫はどこか悲しげな顔をしていた。
近づくと尊に気付いたのか驚いた様子で振り向いた。
『…周防さん！……っ！』
尊と目が合った瞬間、薫は慌てて目を反らした。
尊も何も言わず黙っている。
沈黙が続いた後、先に切り出したのは薫だった。
『周防さんは…赤の英雄騎士だったんだね…』
「ああ」
『知りませんでした…貴女はそのような方だと…』
「薫」
『あっ、はい。何でしょうか』
「いつものお前でいい」
『でっ、ですが…』
「いいんだ」
『……わかった』
「無理なことはするもんじゃねぇ」
『周防…さん』
俯いてしまった薫の頭を尊は優しく撫で、自分はここまで惚れてしまったのかと苦笑した。
『周防さんは…』
「あ？」
『周防さんは、国の為に私と結婚するんですか？』
「どういうことだ？」
『宗像さんが言ってたんです。私と結婚すれば両国の経済は安定し、国が平和になると…』
「……」
『私との好意的な結婚の為ではなく…ただ国の為…未来の為……じゃあ…私は…私という人間は…必要じゃないの？』
自分を抱き締め、尊から後ずさる。
そんな今にも泣きそうな薫を尊は黙って優しく抱き締めた。
『…！…周防さん』
「俺は……違う」
『え？』
「俺は…薫に惚れてるんだ」
その言葉を聞いた薫は大きく目を見開き、尊は抱き締める力を強めた。
薫は恐る恐る聞き返した。
『本当…なの？私のこと…好き？』
「ああ」
短い返事で応えられた薫はようやくその意味を理解すると尊の背にゆっくりと腕を回した。
初めて触れる男の身体。
服の外からでもわかる尊の厚い胸板。
その奥には熱く鼓動を打つ心臓の音が聞こえる。
何もかもが初めて感じるものばかり…
しばらくの間、二人は抱き締め合っていた。
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ミリア - 更新楽しみにまってます。本編も楽しみにしてます。これからも頑張ってくださいね。 (2017年6月29日 16時) (
レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
アルコバレーノ(プロフ) - メリークリスマス！いつも応援してくださってありがとうございます!!(。・ω・。)ゞこれからも頑張っていきます！ (2015年12月25日 0時) (レス) id: 854a9854d3 (このIDを非表示/違反報告)
櫻(プロフ) - 更新待ってました。この作品好きです。これからも頑張ってください。応援しています！ (2015年12月17日 12時) (レス) id: fafc1a5af1 (このIDを非表示/違反報告)
v蓮v - とても面白かったです！本編も頑張ってくださいo(^▽^)o (2015年11月14日 21時) (レス) id: f5f7c7e629 (このIDを非表示/違反報告)
魅瑠華(プロフ) - 面白かったです。頑張ってください！ (2015年4月18日 12時) (レス) id: 05335c9dad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルコバレーノ | 作成日時：2015年3月25日 22時
