Precious Girl 【Ryosuke.Y】 (ページ10)

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Precious１０ページ10

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と言っても、案外そう簡単にはいかなかった。

「な、んで？」

涼介「何でじゃねーよ。

お前まさかその格好で行くつもりじゃねーよな？」

アイツが家に来た。

「いや、その、、、」

涼介「昨日と変わんねーけど？

ベルトは？お前何やってんの？」

次の日の朝、早朝からインターホンを鳴らしてくるやつなんかいるのかと不思議に思えばコイツで

私がベルトをしてこない事なんて想定内の事だったのだろうか、

涼介「・・・ちょっと来い。」

「えっ、ちょっと勝手に！」

涼介「黙れ」

乱暴に引っ張られた右手、

勝手に家に上がり込んでは簡単に私の部屋を見つけ出し勉強机に座らせる。

涼介「ドレッサーもねぇの？」

「不法侵入っ・・・」

涼介「うるさい。前向いてろ」

「出てってよっ・・・」

涼介「黙って見てろ！！」

いきなり大きな声で怒鳴られてしまえば何も言えなくなってしまって、

結局コイツにやられるがまま。

黙って前を向いていれば、結局何もアレンジをしなかったただのロングヘアーに指を通す。

涼介「じっとしてろよ。」

そう言うとカバンからコテを取り出した。

え・・・私、巻くの？

「何やって・・・っ！」

涼介「ヤケドしてーの？Mかよお前」

「はっ？！Mじゃないっ！」

涼介「なら黙ってろって。いちいちうるせぇ」

いちいちムカつく。

何でそんな言い方しかできないの？

このまま言い合いになるのも嫌だから大人しくしてるけど、

ふと思った、

コイツかなり手際がいい。

なんでそんなに上手く巻けるの？ってほど。

綺麗に内側にカールしてて大人しくしてたよりかは、見とれていたの方が正解だ。

涼介「目つぶって？」

その後も本当にされるがまま。

前髪をクルンと巻かれてしまえば、最後に崩れ止めのスプレーをかけて終わり。

はっ！と思い時計を見てみるけど、コイツが不法侵入してから10分程しか経ってない。

涼介「ほら、できた。」

「・・・っ」

まるで別人、机に置かれた鏡に映る自分は見たことなくて、

自分でも可愛いと思ってしまう、

自然に笑みが零れて鏡越しにアイツと目が合えば

優しく私に微笑んだんだ。

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