束縛侑李くん。２ -Yuri.C-

△６１▽　貴方side ページ11

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『僕たち別れよっか。』



侑李から突然告げられたその言葉に私は否定することも出来なかったし頷くことも出来なかった。





香「A？……ちょ、Aってば。」




A「へ？」




香「あんた知念くんと別れてからずっと上の空。


ほんとにこれで良かったの？」




良かったも何も、そう決めたのは侑李。



それに……




A「元々侑李と同居してるのは新しい家が見つかるまでだったし…


あのまま付き合っててもきっと縛られるだけだし…



その傷だって、きっとまだ付き合ってたらまた負わせてたかもしれない。」



私は痛々しく残る香織の腕の切り傷を見ながらそう言った。




香「あのさ、こんな傷どーだっていいの。


今聞いてるのはほんとにAはこれで良かったのかってこと。」




A「だから今言ったじゃ…」


香「強がりにしか聞こえない。」




香織にそう言われるとそうなのかもしれない。




確かに、侑李を好きな気持ちは事実だったから、


そう簡単には忘れられないし。




まだ好きって感情は探さなくても見つかる。





香「Aが好きだったあの頃の知念くんはきっとAを探してるよ。



距離を置いた事によって、知念くんも正常に戻ってきてるんじゃないかな。」




香織はそう言いながらオレンジジュースの入ったグラスを傾けた。





香「Aの求めてる知念くんはきっとAの近くにいる。」





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