机上の池袋【折原臨也】 (ページ5)

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5話ページ5

【で、こいつらを公園のベンチに座らせて終わりか？】

黒バイクがPDAで打ち込んだ文を見て、臨也は楽しそうな笑顔で｢そ｣とだけ声を出した

かの都市伝説、漆黒の影を前にして、臨也はニコニコとしながら札束を数えている

｢本当ならサラ金とかに連れてって色々したかったんだけど、正直、もう飽きた｣

【飽きたってお前】

｢飽きたし、儲けるにしてはそれ程割に合わないんだよね。これ以上のことをやると警察や暴力団が本腰を入れて調べに来る。これはあくまで仕事じゃなくて俺の趣味でやってる事だし。｣

｢あ、今日はありがとねー。いつも頼んでる便利屋がどこも手一杯らしくてさ。いつもなら車でこいつらの実家まで運ばせるんだけど、あんたバイクだから公園がげんかいかなーと思って｣

このような仕事を請け負うということは、どのみちまともな便利屋ではないということは確かだ。

黒バイクもそのような存在と同一視されているという訳だが、彼女もいい加減に慣れてしまっている様子だ。

【警察沙汰になるような事か？巻き添えはごめんだぞ】

【それに】

ちらりとこちらに視線...というのだろうか彼女の場合は

会釈だけするとそれに合わせて彼女も返す

【その女の子はどうしたんだ、最初頼まれていた人数だって3人分だったし彼女が】

PDAを打ち込んでいる手を折原臨也がそっと片手で阻止する。

｢あんたが気にする必要は無いって、これは今回の収穫物さ。別に死体を運んでいる訳じゃないんだ。酔っ払ってた女2人ベンチまで運んでやっただけなんだから｣

【スーツケースに入れてか？】

頭をやれやれとふる姿はなんとも人間的だ

しばらく2人で話をした後、黒バイクは夜の街を駆けて行った

｢さて、｣

｢本題に入ろうか｣

｢え！あ、はい、どうぞ｣

2人の会話を邪魔しないように隣で黙っていた自分にふいに声をかけられ驚く。

｢少なくとも君は『奈倉』が折原臨也ってことを知っていてここに来た、合ってるかい？｣

どこまでも余裕綽々といった感じで私が自分のことをどれほど知っているかなんてことには微塵も興味がないのか、それとも

｢はい、知っててきました｣

それとも自分を始末して、足がつかないような算段が思いついたからだろうか。

それ程遅い時間でもないが、明らかに通行者が少ない。

そもそも女のやわ腕を振り払って殺すなんて彼にはそんなに難しいことでもないと思うけど

それでも今日は

｢取り引きをしたいんです！｣

私にも勝算がある