机上の池袋【折原臨也】 (ページ25)

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25話ページ25

｢やぁ、もういいのかい｣

すたすたと歩いていく臨也さんの後ろをついて行くとさっきの所に変わらずいる竜ヶ峰帝人と黒バイク

｢あ、えっと｣

｢ああ、俺の要件は後でいいや｣

ちらりと私の方を向いた竜ヶ峰帝人に会釈をすると増えてる...と苦虫を噛み潰したような顔で会釈を返す

｢それじゃあ
僕が先に行って彼女に話してきます、事情を説明するより先にセルティさんの姿を見られて僕が誤解されるのは嫌ですから｣

タタンとPDAで【了解した】と黒バイクが返事をする

2人のやりとりを眺めていた臨也さんはからかうように｢慎重だね、そういう姿勢はいいと思うよ｣と呟いた

｢Aちゃんと違ってね｣

じろりとこちらに鋭い視線を向けられつい目を逸らす

｢臨也さん失礼ですよ、黒バイクさんに向かってそんな｣

｢俺の出来の悪い従業員ちゃんのことだけど？｣

｢え！黒バイクさんって臨也さんのとこで働いてたんですか～知らなかった～｣

｢君ねぇ...子供じゃないんだから｣

呆れたような顔の臨也さんと更に私たち二人を呆れたような感じで首を振る黒バイクさん

＊

＊

＊

そのままアパートの側の通りで竜ヶ峰帝人を待つことになり、その最中に臨也さんが黒バイクに声をかける

｢運び屋、
俺、あんたの名前なんて初めて聞いたよ。外国人だとは思わなかったや｣

ニヤニヤしながら言う臨也さんから察するに、恐らく元から知っていたのだろう

今の言葉は、これまで教えてくれなかった黒バイクに対する嫌味

その事を分かっているのか黒バイクは無視を決め込みぷいとそっぽを向いた

｢こんにちは！｣

横からひょこっと大きな声で挨拶すると案の定大きく仰け反り驚いたような行動をする

【K、君は？】

｢この前もお会いしました、ほら、カラオケで｣

【ああ、あの時の...】

納得したような感じで頷く黒バイクさんははっと気づいたように私の肩をがっしりと掴む

【まだこんな奴とつるんでいたのか！！早く手を切らないと君も】

｢あははは！臨也さん信用ないんでやーんの！｣

｢ちょっと、今日やたらと喧嘩売ってくるけどなんかあんの、給料減らされたくなきゃちゃんとした言葉遣いしてくれる？｣

特に腹を立てた様子もない臨也さんになーんだと少し残念に思う

未だにわたわたとPDAを打ち込もうとするセルティさんの手元に自分の手を置き｢大丈夫ですよ｣と言うと納得はしていないようだがこれ以上言ってもどうしようもないと判断したのか諦めたようにがくりと肩を落とす