机上の池袋【折原臨也】 (ページ18)

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18話ページ18

臨也さんがニコニコと笑いながら3人の女子に向かって宣言する

｢関係ないから、君達がここで殴られようが野垂れ死のうな関係ないことさ。俺が君達を殴っても、俺が君達を刺しても、逆に君達がまだ23歳の俺をおっさんと呼ぼうが、君達と俺の無関係は永遠だ。全ての人間ほ関係していると同時に無関係でもあるんだよ｣

よくもまあペラペラと喋る口だ、一体どんな思考回路をしてればそんな跳躍的な発想がでてくるんだか

｢はぁ？｣

｢人間って希薄だよね｣

意味のわからないことを言いながら臨也さんが1歩、女の子に近づいた

｢まあ、俺には女の子殴る趣味はないけどさ｣

次の瞬間_____臨也さんの右手の中には小柄なバッグが納められていた

｢あれ？え？｣

彼女の肩に引っかかっていた紐は、腰の辺りで綺麗に切断されていた

混乱する彼女らを他所に、ちらりと横に立つ竜ヶ峰帝人を見ると顔が引きつっている

きっと、臨也さんが見せつけるようにして背中に回している左手にある1本の鋭いナイフのせいだ

お天道様やら警察やらさっき言っていたが捕まるべきはこの人なのでは...？

あまりにも早い手さばきで私にはバッグの紐を切った瞬間さえも認識出来なく、しかも全て片方だけの動作でありまるで手品でも見せられているような感覚だ

さっきから表情を崩すことなくニコニコと笑いながら、そのバッグの中から携帯電話を取り出す

｢だから、女の子の携帯を踏みつぶす事を新しい趣味にするよ｣

カシャンという軽い音が響き、シールがベタベタと貼られた携帯電話が転がった

｢あッ、てめ.....｣

女か慌てて拾おうと手を伸ばしたところで___

その指先を掠めるように足が携帯に踏み降ろされた

｢あぁーッ！｣と叫ぶ悲鳴を気にせずそのまま何度も何度も右足を踏み下ろす。

その動きがまるで機械のように、寸分たがわず同じ場所に足が踏み下ろされ続ける、そしてやはり機械のように、同じ調子の抑揚のない笑い声を漏らし続ける

｢ひぇー...｣

｢アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ｣

慌てた女の子たちが携帯を踏み潰された女を引き摺られるようにして大通りへと逃げていった

｢やばいよ...やめた方がいいですよ...こわ｣

彼女達の姿が完全に消えたのを確認すると、臨也さんは笑い声と動きをピタリと止める

何事もなかったようにこっちの方を振り向き｢飽きちゃった、携帯を踏み潰す趣味はもう止めよう｣と言った

｢それがいいです...｣

上司の思わぬ奇行にドキドキだよ、まったく