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17話 ページ17

「あー...」

臨也さんが向かうところには竜ヶ峰帝人、私の隣人だ。彼が認識してるかどうかは知らないが

こそこそと路地裏の方を覗き込んでる、その先には...

何やら剣呑とした雰囲気で3人の女子が1人の女の子を壁に追いやり込むように話している

「あんたは、張間美香がいなくなったのに随分とでかい顔してるみたいじゃない?」

「...」

「クラス委員になったんだって?なに優等生ぶってんの?」

「なんとか言えよ、中学の時は美香の腰巾着だったくせしてよー」

いわゆるいじめの現場、こんなご時世に白昼堂々とするなんて写真撮られてチクられても知らんぞ

「あっちょっと、待ってくださいよ」

遠目からその4人を眺めていたら臨也さんはいつの間に竜ヶ峰帝人の後ろに立っていた

近づくにつれ自分もさっきまで顎にかけていたマスクをくいと上にあげる

「いじめ?やめさせに行くつもりなんだ?偉いね」

関心したかのような声を出すと、そのまま竜ヶ峰帝人の肩を掴んでぐいぐいと前に押し出し始めた

「ちょっと!?」

竜ヶ峰帝人の漏らした叫びに4人の女子もこちらに気がついたようだ

「やややっやあ、園原さん、偶然だねねねうわああああっちょっと!」

そのまま4人の目の前まで押し出され、そこでようやく臨也さんが足を止めた

「えっ、強引過ぎません?」

「こうでもしないと行かなさそうだったから」

「な、なんですか?」

いじめる側にいた女子の1人がどこか怯えたように声を上げた、無理もない、こんな全身黒づくめの不審者

今は人のことを言えるような格好でもないけど

「いやぁ、よくないなぁ、こんな天下の往来でカツアゲとは、お天道様が許しても警察が許さないよ」

冗談のような言葉を吐きながら、臨也さんは女子の方にすたすたと近づいていく

「詐欺まがいな仕事はしてるくせに...」

「しばらく黙っててくれる?」

「はーい...」

気を取り直すようにこほんと一呼吸を置いてまた「いじめはかっこ悪いよ、よくないねぇ、実によくない」と喋り出した

「おっさんに関係ねぇだろ!」

本性を表したのか、先程の怯えた様子と打って変わって顔を歪ませながら臨也さんを怒鳴りつける、できる限りの虚勢を張っているのかもしれないが

「そう、関係ない」

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空白@不定期浮上(プロフ) - 面白いと思ったので更新して欲しいです! (2020年5月3日 18時) (レス) id: 015a9f265e (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - めちゃくちゃ面白かったです。応援してます (2019年6月11日 23時) (レス) id: 9a5df359f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるみるみるとん | 作成日時:2019年3月23日 16時

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