13話 ページ13
「Aちゃんさぁ、竜ヶ峰帝人くんの隣の部屋でしょ」
「...知りませんよ、そんなエアコンみたいな名前の人」
「君は色々知ってるのに嘘をつくのは下手くそだよね」
「どこまで知ってるのやら...」
ため息をつき、さも問題児に苦労している先生のような表情する
「知りませんってば」
「まさかあのボロアパートに一目惚れでもしたのかい?下見もせずに即決したじゃない、君」
折原臨也...臨也さんはまるでその場にいたかのような話ぶりをする
「安かったし...」
「君の両親は海外勤めなだけあって随分裕福らしいじゃない。いいねぇ、お金があるってのは」
全く羨ましいよと言うもこんな立派な事務所を構えているんだからとんだ皮肉だ
「やだなぁ、臨也さんの両親も海外勤めじゃないですか。そう言えば来月お誕生日みたいですが家族揃ってお祝いはするんですか?」
さっきまでニヤニヤと余裕こいていた彼から一転鋭い目で見据えられる
...と思ったら案外焦っている様子はなかった
「全く、どこからそんな情報仕入れてるんだか」
呆れたかのような、子供をあやす様な態度でさっきからカタカタと打ち込んでいるパソコンに再び目線を戻した
確信をつくような事まで言うのはご法度だ
あくまで彼の同級生や、友達...岸谷先生など
『頑張って調べればギリギリ知れる情報』しか漏らしてはいけない
それ以上問い詰めない彼に合わせ自分もそれ以上喋るのをやめる
別に...危害を加えるつもりはない
彼の情報をばら撒くアプリがあるのは本当だが...何も一日ごとにパスワードを入れる必要はない
逆だ
パスワードを入れるとばら撒かれてしまう
もちろん彼にこのことを言うつもりは毛頭ない、殺されてしまいそうだし
もとよりこちらは完全に臨也さんのデメリットになることはなるべく避けたい、私の存在が彼にはストレスになるかもしれないが...そこはご愛嬌...許してほしい
*****
『有り得ない』ことなんだ、これは
あやふやな情報ならともかく、彼女は確信を持っている
協力者がいるのかとも思ったけどどうにも違うみたい、それらしき連絡の形跡もないみたいだ
つまり協力者なしにここまで調べたことになるわけだが
彼女は一体どのようにして俺を知り、どのようにして調べたのか、どのような気持ちでここまで深みに嵌ろうとしているのか
今まで県外にいた彼女が俺を知る方法なんてネットぐらいだ、でもその件については九十九屋が手を打っている
では、どのようにして?
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空白@不定期浮上(プロフ) - 面白いと思ったので更新して欲しいです! (2020年5月3日 18時) (レス) id: 015a9f265e (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - めちゃくちゃ面白かったです。応援してます (2019年6月11日 23時) (レス) id: 9a5df359f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるみるみるとん | 作成日時:2019年3月23日 16時