16*将来性。 ページ16
「失礼しまーす！」
教師に呼び出されて来るテンションじゃない相葉くんが元気良くドアを開けて、
それを後から入ってきた二宮くんが後ろ手に音も無く閉める。
さすが幼馴染の、完璧な連携プレー。
「まあ、座れ」
普通の机を4つ並べただけの簡易的な面談机に、翔くんと私、相葉くんと二宮くんが向かい合って座る。
「まずは相葉な」
「俺から？なんだろ？」
相葉くんは、呆れ顔の翔くんに対してもニコニコの笑顔を崩さない。
「お前さ、これはマズイぞ」
翔くんが、机に相葉くんの成績表を置く。
テストの点数が並んだ紙には、赤いマルが沢山付けられていて、
それが赤点を示すことは一目瞭然だ。
「お前ももう中3だろ？そろそろ将来のこと考え始めてるんのか？」
翔くんはファイルをゴソゴソと漁って、成績表の隣に進路調査用紙を並べた。
その第1希望から第3希望の欄を全部使って、大きな字で、考え中！と書いてある。
「うーん、決まんないんだよねー」
「でも、高校生にはなりたいんでしょ？」
思わず口を挟んでしまった私の方に、クリン、と大きな瞳を向けて、
うん、だって高校生って楽しそうじゃん？と相葉くんは満面の笑みで笑う。
「でも俺勉強出来ないしなー」
「だったら、一応こういうのもある」
翔くんが取り出した紙には、『スポーツ推薦』の文字。
「スポーツ推薦？」
紙を手に取った相葉くんは、不思議そうに首を傾けた。
「そう、お前バスケ上手いじゃん。だから、ウチの高校に来てください、っていう案内がいくつか来てる」
そう、相葉くんはバスケ部のエースで、出場した大会では必ずMVPを獲得しながら、
チームを優勝に導いている。
だから、スポーツ推薦とか来ないのかな？って先月翔くんと飲んでる時に呟いたんだけど、
本当にちゃんと調べてたんだ。
「そう、五十嵐高校もな」
「えっ五十嵐も！？」
五十嵐高校はこの地域では断トツにバスケが強くて、全国レベルの選手を何人も輩出している名門校だ。
相葉くんもここ出身の選手に憧れているみたいで、タオルとかグッズを持っている所を何度か見かけたことがある。
そんな高校から推薦が来てるなんて、彼にとってはきっと夢のような話なんだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1495人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやか(プロフ) - 初めまして。偶然貴方の作品に出会い読ませて頂きました。大好きな翔くんだけでなく、嵐のみんなが温かく描かれていてほっこりしました。他の作品も楽しみに読ませて頂きます。ファンの一人に入れて下さいな。 (2018年2月23日 3時) (
レス) id: 270e1ea97a (このIDを非表示/違反報告)
璃夢(プロフ) - ＊___ noco ___＊さん» nokoさん、コメントありがとうございます(*´ー｀*) 過去作も読んで下さったなんて、嬉しいです！忙しさを理由に中途半端にしてしまいがちですが、頑張りますね(^^) これからも応援して頂けると嬉しいです…！ (2018年2月9日 15時) (レス) id: 5c4ad8d179 (このIDを非表示/違反報告)
璃夢(プロフ) - そらさん» そらさん、コメントありがとうございます！以前から読んで下さっていたのですね(о´∀`о) 私もこんな素敵な先生に出会いたいなぁ…と思いながら書いていたので、そう言って頂けて嬉しいです！これからも更新を頑張るのでよろしくお願いします…！ (2018年2月9日 15時) (レス) id: 5c4ad8d179 (このIDを非表示/違反報告)
＊___ noco ___＊(プロフ) - 初めまして！こんばんは('ω')/ noco と申します(･∀･) 一昨日ぐらいに璃夢さんのことを知ったのですが、とても面白くて過去作も読みましたが面白かったです！(^^) どの作品も続きが気になりますが…焦らずゆっくりマイペースに更新頑張ってくださいね(*´ω`*)b (2018年2月4日 0時) (レス) id: 5465b9f03e (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - こんばんは、そらと申します！璃夢さんの作品、久し振りに読む事が出来てとても嬉しいです(*^ ^*) 今日のお話、とても感動しました！こんな素敵な先生たちと、学生時代に出会いたかった…と思いながら読んでいます。これからも更新楽しみにしています！ (2018年2月3日 22時) (レス) id: eac6265046 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：璃夢
| 作成日時：2018年1月28日 20時
