24 ページ24
私はその男の言動が過去に乱暴された男たちと重なり恐怖で体が震えた。
ラ「いいからさっさっと行けやって言ってんだよ！！！」
その男はラウールの言葉で更にヒートアップした。
「おい！おめー偉そうな口効くようになったんじゃなあおい？ええ加減にせえや？」
と言って鉄パイプのようなもので、後部座席の窓をかち割ってきた。
私は恐怖を感じてビクッと体が跳ねた。ラウールはギュッと強く抱きしめて窓ガラスの破片が散らないように守ってくれた。
男はラウールの腕を掴むとグッと関節と反対へ曲げ、グキッゴキベリッという不吉な音がした。
私はたまらず振り向いてラウールを庇い『やめろや！』と叫んだ。
すると目があった男はニヤリと笑い、
「俺は沢田組の東堂善(トウドウゼン)ってんだ。よろしくな」
といい去っていった。
なんなんだあの男は目に全く光がなかった。まるで闇に見つめられているような気持ちになって身震いした。
私はラウールを見てギョッとした。右腕はあらぬ方向に向いており、頬や首にはガラスが当たったのか切り傷ができていた。
私は体の震えを自分で止めることができず、目から大量に涙を流しながら『ラウール、ごめん、ラウール、ごめん』と言うことしかできなかった。
大怪我を負っているにもかかわらず、「透くん泣かないで。俺は大丈夫だから」と無事な左手でポンと頭を撫でられた。
私は震える手でなんとか119の番号を押した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1051人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こなつ(プロフ) - 雪姫さん» コメントありがとうございます。ひーくんの若頭めっちゃ似合いますね。終わらせ方がやっつけみたいになっちゃったんですが、無事完結しましたので、時間がある時にぜひ読んでみてください(^^) (2022年10月5日 2時) (
レス) id: 4a748991d7 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - 面白くて、良かったです。若頭が、ふっかさんと言うよりは、ひーくんの方が…って、思ったけど、せっかく安心して落ち着ける場所が見つかったのに、そこから離れなければならないだなんて。これからはどうなるのだろうかな。続き待ってます。 (2022年10月4日 23時) (レス) @page31 id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
こなつ(プロフ) - ちゃまさん» 好きだなんて、、、嬉しいです。頑張って更新します💓💓 (2022年10月3日 20時) (レス) @page20 id: 4a748991d7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃま(プロフ) - めっちゃお話好きです、、、更新頑張ってください…！！ (2022年10月3日 2時) (レス) @page17 id: 6a1ddb5ea7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こなつ | 作成日時：2022年10月2日 8時
