帰宅部エースの名にかけて【twst】 (ページ5)

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ハートのトランプ兵-1 ページ5

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「で、なんで掃除してるんだっけ？」

「オレ様が知りてぇんだゾ」

昨日のゴースト騒動後、グリムの学園の滞在が許可されたのまでは良かったのだが、働かざるもの食うべからずということで学園内の雑務に駆り出されてしまった。
手違いで連れてこられたというのにとんでもない仕打ちである。
嘆いていても掃除は終わらない。文句を垂れるグリムと図書館に行く約束をし、ほうきを握りしめた。

「昨日はよく見てなかったけど、この石像は誰だ？7つあるけど、なんかみんなコワイ顔。このおばちゃんなんか、特に偉そうなんだゾ。」

「…なんか見たことある気がするんだけど」

思い出せない。

「ハートの女王を知らねーの？」

声のした方には赤髪の男子生徒が立っていた。顔にはハートマークが描かれている。
彼が言うにはこの偉そうなおばさんはハートの女王と言って厳格な人だったらしい。理不尽に人を処刑する情景が思い浮かんでしまうのは気のせいだろうか。

「っていうか、オマエは誰だ？」

「オレはエース。今日からピカピカの１年生。どーぞヨロシク♪」

「オレ様はグリム！大魔法士になる予定の天才だゾ。こっちの冴えないのはユウ。オレ様の子分なんだゾ。」

「子分じゃないけどよろしく」

「…ふ〜ん、ほんとに女子なんだ」

「ん？」

「いや、なんでも」

その後も石像たちに興味津々のグリムの質問にエースが答えていく。どの石像も見覚えのあるものばかりだけれど無理矢理蓋でもされたように全く思い出せない。モヤモヤしたまま話を聞いていると、急にエースの雰囲気が変わった。