すれ違いラブストーリー【kazunari】 (ページ10)

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好きなヒトページ10

雅「じゃぁさ、Aには好きなヒトとかいないの？」

私を泣かせてしまったという罪悪感から抜け出した雅紀は興味津々といったようにこちらを伺う。

あ「あー…好きってまではいかないけど…気になってる人ならいるよ？」

あぁ、今日は雅紀にいくつの嘘を重ねればいいんだろう。

雅「え！？誰々！？Aのそういう話初めて聞くかも！！！！」

あ「なんで雅紀に教えなきゃならないのよ。」

ふーんだって声に出してわざとらしくいってやると、「俺も教えるからぁっ！」なんて。

………そんなの、聞きたくない。

あ「いや、いい。

雅紀の好きなヒトなんて興味ありませーん」

べーっと舌を出して言うと、雅紀はこらぁ！なんだとぉ！？って子供みたいに笑いながら怒った。

ふふ、なんて笑いあってると、ふと雅紀の視線が動く。

そっちを見ると、すっごく綺麗な女生徒と隣に立つ爽やかな男子生徒。

…きっとこの人が雅紀の好きなヒト。

顔を赤くして、にやにやして。でも隣に男子生徒がいるのを見て悲しそうな。

そんな表情をする雅紀を見て、また胸がズキンと痛んだ。