すれ違いラブストーリー【kazunari】 (ページ9)

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無神経ページ9

雅紀の自転車の後ろに乗せてもらって学校までの道のりを急ぐ。

…顔を見られることなく話せる、この空間が好きだ。

あ「…ごめんね、雅紀…昨日…その…泣いちゃって」

ぽつりと言うと、雅紀は少し間をあけてから、ううん、といった。

雅「A…さ、もしかして…だけど。

その…俺の事。好きだったり…する？」

ぼそっと聞き取りにくい声で言った雅紀に、動揺が隠せない。

雅紀の腰をつかむ腕にぎゅうっと力がこもった。

あ「…好きだよ」

私がそういうと、雅紀は自分から聞いてきたくせに少し傷ついたような声で「ごめん」といった。

無神経な言葉で私を傷つけた、とか思ってるんでしょう？

そんな雅紀を傷つけないように。

この幼馴染というポジションを守り続けるために。

私は、小さな嘘をつく。

あ「…何謝ってんの！

言っとくけど、好きって幼馴染として、だからね？

恋愛対象とかそんなの全然ないから！笑」

バシッと雅紀の背中をたたきながら言うと、明らかに安心した様子の雅紀が「なんだよぉ」と笑った。

雅「も～、じゃぁ、どうしてないたのさ？」

ぷんぷん、なんて自分で言いながら私に問いかける雅紀。

私は今朝何度もイメージトレーニングしたとおりに二つ目のうそをつく。

あ「あー…雅紀ったら、無神経。

知ってる？女の子にはね、月に一度お腹に鈍い痛みとともに情緒不安定になる週があってね？」

くすくすとからかうように言うと、雅紀はカァァっと耳まで真っ赤になって「うわっ、ごめん！俺、ほんっと無神経！」って叫んだ。