すれ違いラブストーリー【kazunari】 (ページ8)

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自転車ページ8

朝起きると真っ赤に腫れた目を見てうなだれた。

…こんな顔で学校いけないよ…

クラス替えでみんながそわそわしてる教室にこんな泣きはらし顔でいくなんて友達作りにも支障をきたす。

はぁ…一つ息を吐いて顔を冷たい水で洗うと火照った顔と同時に怒りもすーっと収まって言った気がした。

腫れた目の治し方を調べようとスマホを手に取ると、一件の通知。

ごめんね、もう俺となんていたくないよね・・？

学校、先行ってる。Aさえよかったらちゃんと話がしたい。

そう表示された画面を見ていると、どこか冷静に話す内容を考えてる自分がいた。

…泣いた理由はどうしよう、とか笑顔を保てるように…とか考えながら腫れた目を冷やしていると、遅刻ギリギリの時間になってしまって慌てて家を出た。

慌てながら自転車を探すがいつもの場所に自転車はない。

…あぁ、そうだ。昨日自転車学校に放置してきたんだっけ…

はぁ、このままじゃ絶対遅刻だな…なんて思いながら普段自転車が置いてあるガレージを出ると、そこには先に行っているはずの雅紀の姿があった。

雅「あ…おはよ…」

少し気まずそうに微笑んで見せた雅紀は、あわあわと手を動かしながら一人で言い訳をする。

雅「えっと、ごめんね？先に行くって送ったし行こうと思ったんだけど、Aが気になってガレージのほう覗いてたら自転車がなくって…

それで、その…もう行ったのかな、って思ったけど、もしかしたら昨日学校に置きっぱなしだったのかな…って

もしそうなら、間に合わなくなっちゃうから…待ってた」

そういってこちらをうかがうように見る雅紀がいとおしくてたまらない。

あ「ありがと、雅紀。」

そういって笑って見せると、雅紀も安心したようににっこりと笑った。