すれ違いラブストーリー【kazunari】 (ページ11)

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櫻井翔。ページ11

雅紀の複雑な表情を見た後にもう一度視線の先をたどると、向こうもこちらに気付いたようで爽やかな男子生徒がニコニコと手を振りながら歩いてきた。

翔「雅紀！」

そう仲良さげに呼んだのを聞いて少し驚いた。

雅紀のライバルは友達・・？

ずっと雅紀と一緒にいたけど、この人を見たのは初めてだ。

すると、きょとんとしている私に気付いたのか爽やか男子生徒はあぁ！と言ってこちらに向き直った。

翔「どうもどうも！櫻井翔と申します！

新生徒会長に就任しましたので以後お見知りおきを！」

キラーンって音が聞こえてきそうな笑顔で手を差し出してくる櫻井さん。

新生徒会長ってことは一個上の先輩で。

ますます接点が分からない。

差し出された手を握ってすぐに離す。

あ「えっと、私は…」

って自己紹介しようとすると櫻井さんに手で制された。

翔「二年A組、雅紀の幼馴染のAさん。

よく雅紀から話聞いてますよー！

頼りがいがあって気を使わないで入れる幼馴染の女の子。」

そういって笑った後、すっと耳元に口を寄せて

「でも…あなたは幼馴染以上になりたいと思ってる…そうでしょ？」

なんてつぶやいた櫻井先輩は、相変わらず爽やかに笑っているけど。

目だけが笑っていないような、気がした。