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工藤君の家2 ページ26

「えと、お昼までもう少し時間があるんですけど……」

「そうですね。なので、私とお話をしてくれるととても嬉しいです」

「……はあ」




目の前のイケメンが何を言ってるかわからない。


いや、意味はわかってる。


お喋りしようってことだよね。


そう言うことじゃなくて、なぜ私とって話。




「……話すのは構いませんが、何を話すんですか?」

「そうですね。では、最近の貴方のお話を」




『最近の、Aの話を聞かせてくれないか』




頭の中で、彼の声が再生された。




「あ、か……」

「……赤?」

「あ、いえ。何でもないです」




一瞬、赤井さんと沖矢さんが被った。


でも、工藤君の時みたいに、何か確信があるわけじゃない。


工藤君とは毎日会っていたけど、赤井さんとは電話で話していただけだから。




「えっと、最近の話ですよね。特にこれといって面白いことは何もないんですけど」

「別に何でもいいんですよ。何を食べたとか、何をしたとか、そんなことで」




『いいんだ。何を食べたとか、何をしたとか、そう言った事で構わない』




やっぱり、似ている。




「……貴方に、似た人がいると、話したことがありますよね」

「紅い人、ですか?」

「そうです」




姿も声も性格も違うけど、私には2人が他人だとはなぜか思えない。




「勝手な人なんです」

「ホー」

「前までは毎日電話してきたんですよ」

「その人はAさんが好きだったんですね」

「……違いますよ」




だから少し、揺さぶってみようと思う。




「彼は、私が好きなんじゃなくって、ただ罪悪感を感じていただけですよ」

「……なぜそう思うんですか?」

「言ったでしょう?前まではって」

「それは……彼にも何か理由があったんじゃないでしょうか?」




沖矢さん、恋人候補にしてくれと言うわりに、赤井さんをかばうな。




「電話が来なくなった前の日に、死を仄めかす電話をしてきました」

「では貴方は、彼は死んだと?」

「ええ」

「それはわからないでしょう?死んだなら、貴方に何か連絡が来ていてもおかしくない。毎日電話をしていたのなら、なおさら」





そう言った後に、胡散臭い笑みを浮かべた。




「……まぁ、もう死んでいても死んでいなくても、どっちでもいいんです」




その胡散臭い笑顔が気に入らない。


だから、その笑顔を剥がしたい。

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明里香(プロフ) - JK探偵1、誤字がありました。「決して話そうとしない」ではなく、「決して離そうとしない」です。 (2018年12月31日 16時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - ストーカーじゃない5、誤字がありました。「見ら見つけながら」ではなく、「睨み付けながら」です。 (2018年12月31日 16時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - あくまでも3、誤字がありました。「恋したください」ではなく、「恋してください」です。 (2018年12月31日 16時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
スラズ(プロフ) - 安寿香さん» ご返信が遅くなり申し訳ございません。真純ちゃんバージョンももちろん書こうと思っておりますので、ご安心ください。 (2018年9月6日 17時) (レス) id: c0ac2b12b9 (このIDを非表示/違反報告)
安寿香(プロフ) - 真純ちゃんが彼氏だったらを見たいと思うのは私だけだと思いますが書いてもらえたら嬉しいです。 (2018年9月5日 17時) (レス) id: 491c0ff4a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スラズ | 作成日時:2018年6月6日 21時

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