モテたいわけじゃない。【名探偵コナン】

モテたくない女1 ページ3

「ほんっと、気に入らない」

「あんたの彼氏、あいつに一目惚れしたんだって？」

「絶対一目惚れじゃない！私の彼を誘惑してたのよ！」




そんなことしてないのに。


私の周りには女の子ではなく男の子が集まっている。




「……はぁ」

「Aちゃん、何か悩み事？」




君たちが原因だといえば、離れてくれるのかな。


そんなことを考えていると、スマホが震えた。




「……ごめん、私帰るね」

「え、送ってくよ！」

「迎え、来てるから」




男の子の悲しそうな視線と、女の子の鋭い視線を浴びながら教室を出た。


廊下でも、男の子の憧れな視線と女の子の妬み嫉みの視線が混じり合う。




「……あの」

「帰りましょうか！」

「……だから、迎えに来るのやめてって」

「俺が勝手にやってることなんで」




その君の勝手のせいで、私には女の子の友達ができないこと、知ってる？




「好きな人のそばには、いたいんです」

「私が迷惑してても？」

「友達ができないとか、そう言うことですよね？」

「分かってるなら……」

「俺はそれが嬉しいんですよ」




私に友達ができないことが嬉しい？


なんだそれは、実は私のこと嫌い？




「俺、独占欲強いんで」

「……性格悪いの間違いね」

「そんなことないですよー」




ニコニコと笑いながら、私の隣を歩く。




「あ、今週の週末は、残念ですけどAさんと会えないんです」

「やった」

「心の声が漏れてますよ」

「漏れてない。言おうとして言った」




週末まで、この男は私について来る。


事件があれば別だけどね。




「……週末、何するか気になりません？」

「全然」

「幼馴染みとトロピカルランド行って来るんですよ」

「へー」

「あ、好きとかそんなんじゃないっすから」




聞いてないことをペラペラと話す。


……悪い人じゃないことは知ってるんだけど。


彼といると目立つから。




「トロピカルランドか」

「興味あります？あ、なんなら一緒に」

「行かない」




幼馴染みの子に勘違いされて修羅場なんてごめんだし。


でも、トロピカルランドには少し行ってみたいな。




「……じゃあ、今度2人で行きましょう！」

「……え、なんで？」

「え、んー……Aさんが行きたいって顔してたから」

「よくみてるね」




その観察眼は別のことに使えばいいのに。




「そりゃ、好きな人ですから」

「そこは探偵ですからっていうところだと思うけど」

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