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ストーカーじゃない、親衛隊です1 ページ18

「……」

「……A、どうかしたか?」




学校から帰ってきて家に入ると、降谷さんがいた。


それはいい。


私の悩みのタネは別のところにあった。




「いや、何でもないです」

「何でもなくはないだろ。いいから言え」

「何で命令系なんですか。……本当に、大したことじゃないんです」

「大したことかそうじゃないかは俺が決める。早く言え」




頑なに言わない私と言わせたい降谷さん。




「言え」

「……」

「……そうか」




降谷さんはため息を1つつくと、ソファに座っている私の隣へ距離を詰めて座り直した。




「な、なんですか?」

「口で言っても言わないみたいだから」

「……だから?」

「力強くで」




そう言ったかと思うと、腕を掴んで引き寄せられた。


突然のことに私は反応できず、降谷さんの胸に飛び込んだ。




「ちょ、降谷さん」

「黙って」




引き寄せられたまま、腕を掴まれて身動きかとれない。


腕を掴んでいる手とは反対の手で顎を上に挙げられる。




「言わないと、このままキスする」

「え……あ、」

「いいのか?」





降谷さんの端正な顔が近づいてくる。


鼻と鼻が触れ合い、お互いの息がかかり、私の心臓がドクンっとはねる。




「……言え」

「ほ、んとに、何でもな……」

「何でもないとかじゃない。俺は言えと言っている」




本当に大したことではない。


こんなことで、忙しい(私の家に入り浸っているが)降谷さんに手間をかけたくないと言うのもある。


けれど……




「10秒待ってやる」




そう言って、彼はゆっくり秒読みを始めた。


私から目をそらさず、その蒼い瞳に私を写す。


だんだんと少なくなる秒数に、私は焦る。




「ふ、ふるやさ」

「4」




何も言っても、この人は止まらないと理解した。




「3」

「っ!」




降谷さんが少しだけ顔を傾けた。




「2」




あれほどの近い距離から、さらに近く。




「1」




降谷さんの唇が、私の唇に____




「ゼロ」

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明里香(プロフ) - JK探偵1、誤字がありました。「決して話そうとしない」ではなく、「決して離そうとしない」です。 (2018年12月31日 16時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - ストーカーじゃない5、誤字がありました。「見ら見つけながら」ではなく、「睨み付けながら」です。 (2018年12月31日 16時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - あくまでも3、誤字がありました。「恋したください」ではなく、「恋してください」です。 (2018年12月31日 16時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
スラズ(プロフ) - 安寿香さん» ご返信が遅くなり申し訳ございません。真純ちゃんバージョンももちろん書こうと思っておりますので、ご安心ください。 (2018年9月6日 17時) (レス) id: c0ac2b12b9 (このIDを非表示/違反報告)
安寿香(プロフ) - 真純ちゃんが彼氏だったらを見たいと思うのは私だけだと思いますが書いてもらえたら嬉しいです。 (2018年9月5日 17時) (レス) id: 491c0ff4a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スラズ | 作成日時:2018年6月6日 21時

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