モテたいわけじゃない。【名探偵コナン】

プロローグ ページ1

「3年の先輩、絶対男ウケ狙ってるよね」

「あー、一葉A？」

「そうそう」




狙ってない。




「数学の先生に手出したらしいよ」

「まじで？」

「テストの問題教えてもらったとか」

「あー、その人いつもテストの順位1位だもんね」




それは私の実力。




「プラチナブロンドの髪」

「それに加えて琥珀色の目」

「髪はツインテール」




髪と瞳の色は遺伝だから、私にはどうにもできない。




「スタイルいいよね」

「胸は絶対なんか詰めてる」




胸も自前だ。




「ずっと黒タイツだってさ」

「60デニールくらいだよね」

「えろいえろいって男子が騒いでた」




右足に傷跡があるから、隠したいだけ。









「……工藤君、もう学校まで迎えに来るのやめて」

「嫌ですよ」




スルリと私の手を取り、指を絡める。




「好きな人のそばにいたいんです」

「……そういうこと言うから、私が男たらしだとか言われる」

「だから、俺と付き合ったら、しっかり守ってあげますよ」

「やだよ。付き合ったりなんかしたら、何言われるかわからないし。……あと、手離して」




巷で噂の高校生探偵、工藤新一。









たまにかかって来る電話。


そんな簡単に連絡先を渡していいのかと問いたい。




「……仕事してください」

『冷たいな、久しぶりだと言うのに』

「……昨日も電話しましたよね？」




私の右足に傷をつけた男。




『いつでも、お前の声を聞いていたい』

「……私未成年ですよ」

『あと2年だろう？すぐだ』

「……本当に、やめた方がいいですよ。高校生に熱をあげるの。FBIが聞いて呆れますね」




FBI捜査官、赤井秀一









「……大丈夫ですか？」

「……少し、寝かせてくれ」




この人に至っては、少し事情が違う。




「ご自分の家に帰って寝ればいいのでは？」

「冷たいこと言うな。甘えさせろ」

「高校生に甘える29歳とは」




この人が唯兄さんの親友じゃなければ、唯兄さんが「彼を頼む」なんて言わなければ、家になんて入れてない。




「……はぁ」

「心配するな。お前を危険な目に合わせたりしない」

「当たり前です。私は関係ないんですから」

「……だから、そばにいろ」

「危険だから離れたいんですけど」




公安警察の降谷零。









「……私だって女の子と遊びたいのに」

設定→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す