及川さんの憧れの天才【男主・ハイキュー】

憧憬3 ページ5

うわー、今年の新入部員レベル高い。




「監督、俺抜かれるかも」

「誰にだ？お前を抜く奴はそうそう現れないだろ？」

「いやいや、わかりませんよ？」

「1年でレギュラー入り、2年で主将……お前は北川第一の中でも逸材だ」




逸材だなんて……そんなことないと思うけどな。




「やめてくださいよ」

「本当のことだろ。天才の結城」

「俺、あんまりその呼び方好きじゃないです」




天才の結城なんて、俺には勿体ない。




「それで？経験者の方はどうだ？」

「ええ、中々にやりますね。特に、及川君と岩泉君」

「名前言われても覚えてない」

「ハハッ、監督らしい。……今レシーブしてるイケメン君が及川君。そのすぐ隣にいるのが岩泉君」




指差しながら、監督に及川君と岩泉君を教える。




「流石だな。新入部員の名前と顔は一致しているのか」

「違います。生徒会長として、新入生の顔と名前は覚えてます」

「……流石だな。やっぱりお前は天才だよ」

「やめてください」



天才、俺は自分を天才とは思はない。


でも、他人は俺を天才と呼ぶ。


それが俺にはよくわからない。




「キャプテン！ランニング終わりました！」

「じゃあ、レシーブ練習はいって！」

「はい！」




主将にも慣れてきた。


最初は俺なんかができるのか？など思っていたが、先輩も同級生も俺についてきてくれた。


特に、優ちゃんが俺を支えてくれた。


あれは大きかったな。




「おい、A！お前も練習に参加しろっての！」

「ごめん、優ちゃん！」

「ちゃん付けすんなって言ってんだろーが！！」




監督に言ってから、俺も練習に参加した。


その時、視線を感じた。


振り返ると必ずいるのが、及川君。


俺に何かようだろうか？




「おい、よそ見してんなよ」

「ごめん、でもなんか視線を感じてさ……」

「視線を？誰の？」

「及川君の……かな？」




優ちゃんが俺の話を聞いてくれる。


やっぱり優しいな。




「……まぁ、部活終わってから聞けばいいだろ」

「……うん、そうだね」




俺は部活が終わってから、及川君に話しかけることにした。

憧憬4→←憧憬2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す