及川さんの憧れの天才【男主・ハイキュー】

憧憬33 ページ35

ー及川sideー


「……決勝」

「やっぱすげーよな」




岩ちゃんの隣で、応援している俺。


今は決勝戦。


白鳥沢というところだ。


アップから、強いという事が分かった。




「Aさんっ」

「大丈夫だろ、あの人達だしな」

「……うん、勝てるよね」




Aさん強いし、あと……優さんも。




ピーーーっ




「あ、始まる」



「「よろしくお願いしアーす！！」」




Aさんも優さんもレギュラー。


自分の位置に着く。




「……俺も、いつかあのばしょに」

「……今は応援。な？」

「わかってるよ！でも……Aさん達が負けるはずないよ！」

「ああ、あの人達つえーから」




そう、あの二人は誰よりも強い。


それは、俺たちがよく知っている。


あの二人が負けるとこなんて想像できない。


それほど、あの二人のコンビネーションはすごい。


息ぴったりで、まるで双子。


えっーと、こう言うのをソウルメイトって言うんだっけ？




「A、ナイッサー！！」




そんな事をぼーっと考えていると、バシッと肌にボールが当たる音。


その次に、床にスパイクが叩きつけられるような音がした。


先制点は、俺たち北川第一。




「A、も一本！！ナイッサー！」




「うおっ。いつ見てもすげーな、Aさんのジャンプサーブ」

「……」

「……及川？」

「……うん、すごいよ。Aさん」




サーブもブロックもトスも……すごい。


もっと、もっとAさんに近づきたい。


俺は天才じゃないけど、Aさんとは違うけど……憧れてしまえば関係ない。


だって、思ってしまったから、あんな風になりたいって。


その想いは、もう誰にも止められない。

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