及川さんの憧れの天才【男主・ハイキュー】

憧憬23 ページ25

「Aさーん！また明日！」

「失礼します」




徹君とハジメ君の家に着いた。


そこで、二人別れる。




「おい！徹、俺にはねーのか！」

「優さんなんて嫌いです！」

「はぁ！？」




この二人は本当に素直じゃないな。


二人の言い争いを、俺はハジメ君と二人で見守っていた。




「……Aさん」

「何かな？」

「……優さんとは幼馴染みなんですよね？」

「……ん、そうだけど……それがどうかした？」




ハジメ君が、俺と優ちゃんのことを聞くなんて珍しい。


……何かあったかな？




「……いえ、何でもないです」

「ふふっ、嘘をつくのが下手なんだね」

「え、いや、本当に何もないですよ」

「……俺ってそんなに頼りない？」




ハジメ君は何かに悩んでいる。


……それが何かはわからないけど。




「いや、そう……じゃなくて」

「……？」

「……及川の、事なんですけど」




徹君のこと？




「俺、どうしても及川に強く当たって……このままで、大丈夫かなって」

「……不安になったの？」

「Aさんと優さんは周りから見ても仲がいいじゃないですか」

「そう？有難う」




優ちゃんと仲がいいって言われていやな気はしない。


むしろ嬉しい。




「それに比べて、俺と及川は……」




少し悲しそうに、優ちゃんと言い争っている徹君を見る。




「……俺から見たら、徹君とハジメ君も仲いいと思うよ」

「え？」

「気になるなら、本人に確かめてみればいい」




ポンと肩に手を置いて、俺は優ちゃんに声をかけた。




「優ちゃん、そろそろ帰るよ」

「おーう。じゃあな、徹」

「べーっ！Aさん、また明日！」




優ちゃんを挑発して、俺に挨拶をする徹君。


それを見て優ちゃんがまた怒りそうなので、ズルズルと手を引っ張って帰った。


……徹君とハジメ君は大丈夫だろう。


君たち、すごくいいコンビだよ。

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