及川さんの憧れの天才【男主・ハイキュー】

憧憬15 ページ17

「有難うございました！」

「「有難うございました！！」」




部活が終わった。


明日からは勉強漬け。


……優ちゃんが心配だ。




「A……」

「うん、泊まりにおいでよ」

「お願いします」




テスト前は優ちゃんは俺の家に泊まりに来る。


優ちゃんは……うん、勉強ができない。


いつもギリギリの点数。




「ホント、毎度毎度スイマセン……」

「いいえー」




優ちゃんは目を逸らしながら、俺に謝る。


そうやって、俺と優ちゃんが話していると……


ドンッと俺の背中に誰かがぶつかってきた。




「うっわ！」

「おい！」




その勢いで、前に居た優ちゃんに倒れかかる。


が、優ちゃんは俺を難なく受け止める。


うん、流石だ。




「大丈夫か！？」

「うん、有難う」

「お前は何やってんだ徹！！」

「Aさーん！！どうしよっ！ねぇ、どうしよっ！？」




どうやら、俺にぶつかってきたのは徹君のようだ。


その後ろには岩泉君もいる。




「おい、話聞けよ徹！」

「優ちゃん落ち着いて。で？徹君、どうしたの？」




徹君を優ちゃんが引き剥がす。


俺は話を聞く。




「俺……俺……50点取れる自信がないです！！」

「……え？」

「あの、俺も……」




徹君とハジメ君がそう言った。


……50点取れる自信がない？




「どっどっどうしたら！？」

「と、取り敢えず落ち着こう。今から頑張れば大丈夫だよ」




そう言うが、北川第一中学のテストは難しい。




「……徹君とハジメ君も、俺の家で勉強……する？」

「え？」

「テストが終わるまで……Aさんの家で？」

「うん。テスト前は優ちゃんとやってるんだ。2人がよければおいで」




徹君とハジメ君は顔を見合わせると、バッとこちらを向いて頭を下げる。




「「お願いします！」」

「うん、お願いします」




今年のテスト勉強会は、4人でやることになった。


今年は賑やかになるな。

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