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渡辺が通訳をしてくれないために一体どんな会話が行われているか分かっていない佐久間は、渡辺の口が動いた途端にひどく動揺した青年の顔を見て、思わず叫んでしまった。
sk「ちょっと翔太何言ったの！」
だが渡辺はそんな事に目も暮れず、じっと目の前の青年を見続ける。
一方の青年は焦りながらも、ここからどう切り抜けようか考えあぐねている様子である。
渡辺はそんな彼を見てひとつ、息を吐き出した。
nb「俺はまあ見てわかるかもしれないけど、」
そう言いながら渡辺は杖と装具を彼に見せた。
nb「生まれつき脚が不自由なの」
「んで、」
渡辺に相手にされないことに落ち込み俯いていた佐久間は、急に肩に手を置かれ飛び跳ねてしまった。
nb「こいつは耳が聞こえない」
次は手話付きで話してくれたおかげで大体の話の筋が掴めた佐久間は、にひひ、と彼特有の笑顔を見せ、Vサインもおまけにつけて青年の方を向いた。
sk「俺、佐久間ね！さ、く、ま」
分かる？と言うように青年の顔を覗き込めば、彼の瞳が佐久間の視線と交わった。
初めて間近に見たその眼は自分と同じ濁りを持つものの、その奥にどこか透き通るものが見受けられた。
なにか心の底から揺さぶられる様な、そんな眼を佐久間はずっと見ていたいとまで思ったが、それは肩に置かれたままの渡辺の手によって遮られた。
nb「次はお前の番なんだけど」
ずい、とこれまた珍しく身を乗り出した渡辺に続くように、佐久間も前のめりになって青年の口から言葉が出てくるのを待つ。
やがて2人の様子に観念したのか、彼は徐にカバンからノートとペンを取り出した。
さらさらと紙の上を走るボールペンを眺めていれば、ノートはくるりと向きを変え、こちらにその文字を写し出した。
sk「あべ、りょうへー…？」
「じゃあ……阿部ちゃんだね！」
達筆な字で書かれたのは、目の前にいる彼の名だった。
親切に漢字の上にふりがなまでふってくれている。
それを丁寧に読み上げた佐久間は目をキラキラと輝かせ、とびきりの大声を上げた。
青年、もとい阿部も目立つのはあまり嬉しくないらしく、佐久間の声量に顔を顰めたが、すぐに続きを書き始めた。
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みみずく。(プロフ) - コメント失礼します。よければ翔太くんメインの話が読みたいです。 (2021年1月4日 21時) (
レス) id: 23fb9957a6 (このIDを非表示/違反報告)
かき - コメント失礼します。難しいかもしれませんが、ぜひ黄色さんメインをお話も拝読したいです。よろしくお願いします！ (2020年12月22日 12時) (レス) id: edbdc5a7da (このIDを非表示/違反報告)
和 蓮 .(プロフ) - よければ蓮くんメインのお話が見たいです。 (2020年12月22日 7時) (レス) id: 888c904e00 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - コメント失礼します。桃さんメインのお話がみたいです。 (2020年12月21日 18時) (レス) id: f09ccc8f4c (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - ききさん» リクエストお願いします！舘様メインであべなべが看病するおがみたいです！内容は作者様におまかせします！ (2020年12月21日 17時) (レス) id: 809f062d73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きき | 作成日時：2020年6月13日 15時
