『エンドロールはまだ早い』 ページ44
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青:歩行障害
桃:聴覚障害
緑:失声症
＿＿＿＿
それはとても綺麗な音色だった、と思う。
繊細で美しくてその上力強い音だった、はずだ。
今まで生きてきた中でこんな音楽は初めて聞いた、ような感じがする。
nb『お前全部憶測で話すなよ』
sk「だって俺聞こえないもーん」
佐久間がまるで犬であるかのように渡辺の元へ駆け寄ってきたのはつい先程のこと。
大学にある講堂をたまたま覗けば、そこで誰かがピアノを弾いていたと嬉しそうに報告しにきたのだ。
だが本人も前述しているように佐久間は耳が聞こえない。
その上で彼はそのピアノの音を「綺麗だった」と繰り返しているのである。
嘘か実か判断し難いその話を聞くこと自体億劫ではあったが、生憎渡辺には佐久間以外に友達と呼べる人も大学におらず、結局今日もこうして佐久間の話し相手になっている。
それでも苦だとは思わないので、渡辺自身案外この時間が好きだったりするのかもしれないと薄々感じ始めている。
絶対に佐久間には言わないが。
nb『それでお前は話しかけたんだ？』
sk「なんで分かったの？！」
nb『でもいつものように無視された』
sk「えっエスパー？」
何年一緒にいると思ってんだ。
大体お前の思ってることは分かるんだよと伝えようとしたが、向かいに座る佐久間はどこか神妙な面持ちをしていたので渡辺は話を聞いてやることにした。
sk「なんか訳ありっぽいんだよ」
nb『どういうこと』
sk「んー、なんか悲しそうな顔？」
佐久間はよく感覚で話をする。
聴こえない音にしろ、見えない感情にしろ、何かしらを感じ取ることに長けているのだ。
渡辺はそれを鵜呑みにはしないが。
sk「ほら！初めてあった時の翔太みたいな顔！」
いい例えだと言わんばかりに目を見開いた佐久間だったが、一方の渡辺は苦い顔をしていた。
nb『その話はいいから』
佐久間と出会ったときの話をするのは、渡辺はあまり好まなかった。
もとい自分の過去を思い出すこと自体が苦痛なのだ。
sk「まあとにかく、あの子は絶対なんかある！」
何かってなんだよ、と渡辺は心の中で悪態をついたが、少しだけその"訳あり"に興味を抱いていたのは言うまでもなかった。
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みみずく。(プロフ) - コメント失礼します。よければ翔太くんメインの話が読みたいです。 (2021年1月4日 21時) (
レス) id: 23fb9957a6 (このIDを非表示/違反報告)
かき - コメント失礼します。難しいかもしれませんが、ぜひ黄色さんメインをお話も拝読したいです。よろしくお願いします！ (2020年12月22日 12時) (レス) id: edbdc5a7da (このIDを非表示/違反報告)
和 蓮 .(プロフ) - よければ蓮くんメインのお話が見たいです。 (2020年12月22日 7時) (レス) id: 888c904e00 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - コメント失礼します。桃さんメインのお話がみたいです。 (2020年12月21日 18時) (レス) id: f09ccc8f4c (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - ききさん» リクエストお願いします！舘様メインであべなべが看病するおがみたいです！内容は作者様におまかせします！ (2020年12月21日 17時) (レス) id: 809f062d73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きき | 作成日時：2020年6月13日 15時
