先天性免疫不全症【赤】 ページ28
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双子の弟:赤
双子の兄:青
長男:紫
＿＿＿＿
Tatsuya side
sh「りょーた」
ry「…しょー、た」
涼太は昔から行事ごとがあると日程と被るように体調を崩していた。
否、定期的に体調を崩す涼太にとってそれは偶然ではなく必然だったのかもしれない。
だがそんなことを言われたって弟たちの悲しげな顔を何度も見るのは堪えるものがある。
今だってこうして人生最後の修学旅行の当日に熱を出してしまった涼太と
そんな涼太に縋り付くようにベッドの側に座っている翔太の周りはまるでお通夜かのような空気が漂っている。
どうせ「涼太が行かないなら俺も行かない」
なんて翔太は言うだろうし
涼太は涼太で翔太を説得しようとするだろう。
この双子を見ているとどうにかして涼太の病気を俺が代わってやれないものかといつも思ってしまう。
だけど涼太が辛いときには必ずと言っていいほど横には翔太がいて
翔太のおかげで涼太は早く治そうと頑張ってくれるし
常に感染症のリスクと隣り合わせの涼太にとって翔太は1番の精神安定剤なのであって。
俺には所謂"共依存"なんていう関係の人はいないから
こんな試練なんて一人で乗り越えられないと思うと涼太がこの病気を持って生まれてきたことはある意味宿命なのかもしれない。
兄としてこんなことを思ってしまうのは不埒極まりないが。
ry「…はぁ、はぁ、っ、…」
決して広いとは言い難い1DKのアパートの一室に
2段ベッドの下で横になっている涼太の荒い呼吸音だけがやけに虚しく響く。
時刻は午前7時。
もうそろそろ家を出る支度をしなければいけない。
修学旅行初日の朝はいつもより早いのだ。
「翔太、時間なくなるよ」
sh「やだ、俺行かない」
案の定反抗的な態度を取る翔太に頭を抱える。
俺としても翔太に無理強いをさせるようなことはしたくはないが
生憎学校行事である、そんな簡単に休ませるわけにもいかない。
「翔太は元気だよ？行けるんだよ、修学旅行」
涼太が体調を崩すと少しばかり翔太の心も不安定になるるから
小さな子に話しかけるようにそーっとその繊細な心に近づくように声を掛ける。
それでも頑なに動こうとしない翔太。
どうしたもんかと手を焼く俺を見かねて涼太が助け舟を出してくれた。
ry「しょーた、行っておいで。おみやげ、楽しみにしてるから」
sh「っ、…りょ、た」
ry「おれは大丈夫、」
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みみずく。(プロフ) - コメント失礼します。よければ翔太くんメインの話が読みたいです。 (2021年1月4日 21時) (
レス) id: 23fb9957a6 (このIDを非表示/違反報告)
かき - コメント失礼します。難しいかもしれませんが、ぜひ黄色さんメインをお話も拝読したいです。よろしくお願いします！ (2020年12月22日 12時) (レス) id: edbdc5a7da (このIDを非表示/違反報告)
和 蓮 .(プロフ) - よければ蓮くんメインのお話が見たいです。 (2020年12月22日 7時) (レス) id: 888c904e00 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - コメント失礼します。桃さんメインのお話がみたいです。 (2020年12月21日 18時) (レス) id: f09ccc8f4c (このIDを非表示/違反報告)
おりょうり(プロフ) - ききさん» リクエストお願いします！舘様メインであべなべが看病するおがみたいです！内容は作者様におまかせします！ (2020年12月21日 17時) (レス) id: 809f062d73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きき | 作成日時：2020年6月13日 15時
