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113. 久しぶりの帰国 ページ13
そして、約束の日…
私は成田空港に到着していた
迎えに行くと言う母の申し出を何度も断り、地元へ帰るためのリムジンバスへ乗り込む
久しぶりに胸いっぱい吸い込む日本の空気は、冬の清々しさも相まって、私の気持ちを高めてくれた
懐かしくて安心する風景を、車窓から飽きずに見つめる
ただいま、タケルー
今夜、東京のレストランでキュヒョンと待ち合わせしている
その前に、タケルのお墓詣りに行って、実家に寄って…
短い時間の滞在を、母は寂しがるだろう
でもこれからは、頻繁に帰ってくればいい
母が韓国へ遊びに来たっていいんだから
そんなことを考えていると、スマホの着信に気がついた
キュヒョンから、メールが来たみたい
彼と出会った日、こんな展開になるなんて誰が予想できただろう
キュヒョンからこうして自然にメールが来ることを
そして、幸せなドキドキに包まれてそのメールを大切に開くことを
“ごめん、仕事が押してて飛行機に間に合いそうにないんだ。今夜会うのは難しいかもしれない”
え…
“またスケジュールがハッキリしたら連絡する。本当にごめん”
今夜、来れないの…？
じんわりと指先が冷えていく
頭の中は冷静に理解しているのに、鼓動は一気に高鳴っている
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作者名：Aoi Sakura
| 作成日時：2017年4月17日 8時
