102. 夜の電話 ページ2
「…A?」
電話越しに聞くキュヒョンの声は、会えない日々が続くとより甘く、より優しく感じた
「キュヒョナ?」
「うん、もう家?」
「そうだよ。…まだ仕事中?」
「ん、まだまだかかりそう…」
電話の向こうで、欠伸を噛み殺したような息遣いが聞こえる
それすら、愛しい
「待ち時間にAの声が聞けて良かった。今日のスケジュール…ちょっとキツかったから」
そう話している今、すでに時刻は夜の11時半だ
まだ待ち時間だなんて…いったい何時までかかるんだろう
キュヒョンの体調を案じつつ、私は旧正月の話をした
「実は下旬にね、日本に帰ろうと思って」
「えっ?日本に?」
なぜか焦った様子のキュヒョンに、私は慌てて説明する
「こっちに来てから一度も帰ってなかったから、久しぶりに実家に顔を出そうかなって」
「なんだ…ビックリした。せっかくこういう…その、いい関係になれたのに、離れ離れになるのかと思った」
“いい関係”という言葉を選んでくれるキュヒョンは、シャイで本当に素敵な人
「……えっ?旧正月は日本に帰るって言った?」
「あ、うん…だから、実家に…」
また同じやりとりを繰り返そうとするのは、きっとすごく疲れているせいだと思った
私はもう一度、丁寧に説明しようとした
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作者名:Aoi Sakura | 作成日時:2017年4月17日 8時