096. ピアス ページ46
「そうだ、ちょっと待ってて」
私が落ち着いたことを確認してから、キュヒョンはそう言って身体を離した
目尻にたまった涙を気づかれないようにそっと拭う
そして、キュヒョンとくっついていた場所に感じる残った温もりは、この先ずっと忘れないでいたいと思った
「これ…あの、クリスマスプレゼント」
部屋の隅から戻ってきた彼の右手には小さな紙袋、左手は口元に触れながら少し恥ずかしそうに微笑んでいる
私はまだ続いている緊張と驚きと、それから嬉しさで、さっききつく締め忘れた涙腺がまたじわじわと緩むのを感じた
「きゅ、キュヒョン…」
「A、泣き虫」
そんな意地悪を言う唇は優しく微笑んでいて、キュヒョンは私の手に袋を持たせる
「開けてみて？」
彼からもらう初めてのプレゼントは、小さな木箱に入った、上品に輝く小ぶりのピアスだった
「キュヒョナ…私がピアス開けてるの知ってたの？」
韓国へ来てからは一度も付けていたことはないのに
「うん、あの…」
「？」
「この間、Aを看病した時にピアスの穴を見つけたから」
「そっか」
そんな至近距離で見つめられていたことを知り、今更恥ずかしくなる
でもたぶん、キュヒョンのほうが恥ずかしいんだろう
言い淀む口元がもごもごと動いている
私はドキドキしながらも気にしていないそぶりで、早速ピアスをつけた
奥の方でくっついている皮膚をゆっくりと広げて行く感覚ー
痛くはなかったけど、それとともに忘れかけていた記憶をじわじわと思い出す
タケルを失ってからつけなくなったのに、偶然にもキュヒョンがピアスをプレゼントしてくれたこと
何か意味があるのだろうか
そう、期待している自分がいた
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マユったん。(プロフ) - はじめまして。2人の距離感がとても切なくて心があったまってきます。大好きな珈琲を飲みながら私も同じアパートに住んている気分で小説を読んでいます。これからも更新楽しみにしてますね。 (2017年2月22日 5時) (
レス) id: 8f101bc657 (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん(プロフ) - 初めてコメントします！主人公の心の揺れが非常に切なく、、、とても引き込まれております。これからも更新楽しみにしております♪ (2017年1月26日 19時) (レス) id: d57f4a1d41 (このIDを非表示/違反報告)
Aoi Sakura(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん！コメントありがとうございます★最近更新が滞ってしまって申し訳ないです・・せっかく読みに来てくださっているのに＞＜ 拙い文章ですが、これからもよろしくお願いします＾＾ (2017年1月9日 0時) (レス) id: 653c53e289 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - これから他のも読ませてもらいますね！すごく楽しみです。よろしくお願いします。 (2016年12月12日 12時) (レス) id: 4fa59d1f2e (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 初めてこちらの作品を読ませてもらいました。キュヒョンとお隣さんなんて夢のようなシチュエーションで。キュンキュンしながら読んでます。続きが待ち遠しいです。更新大変でしょうけど楽しみに待ってます。 (2016年12月12日 12時) (レス) id: 4fa59d1f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aoi Sakura
| 作成日時：2016年11月6日 12時
