034. 乾杯 ページ34
ポンッー
シャンパンボトルの開く音は、いつ何度聞いても心地良い
「ワイングラスしかないけど」
そう断ってから、キュヒョンは手慣れた様子でグラスに注いでくれた
彼はシャンパンボトルを軽々と片手で傾ける
その少し力の入った手や指は、つい見入ってしまうほどセクシーだと思った
「さ、乾杯しよう」
ニッコリと笑ったキュヒョンは心から幸せそうで、私もつられて笑顔になる
「何に乾杯する?」
「えーっと…じゃあAさんに」
「え?私に?」
「韓国へようこそ」
韓国へ…ようこそ、か
そんなこと言われたの、渡韓してから初めてだ
異国の地で目的もなく一人で暮らしていると、数日に一度は何の謂れもない虚無感に襲われる
何のためにここで暮らし、生きているのだろう
誰が私を必要としてくれているのだろう
慣れない土地で常に気を張って過ごしていて、私の場合はそれを解消する場がなくて、いつもどこかで息苦しさを感じていた
日本人のコミュニティもあるけど
そういうところへ参加したら、必ず話題になる
“どうして韓国へ来たの?”
だから、嫌だった
「…どうしたの?」
美味しいはずのシャンパンの味が分からないほど、動揺していた
口の中では繊細で上品な泡がはじけている
楽しい時間が始まるはずなのに
「ううん、…このシャンパン、美味しい!」
「でしょ?これ好きなんだ。Aさんも気に入ると思って」
キュヒョンは嬉しそうにそう言って、冷蔵庫から出したばかりのチョコレートの箱を手に取った
「これは、普段買わないから美味しいか分かんないけど…はい」
箱のふたを開けて、私に差し出してくれる
そこには様々な色のトリュフチョコレートが並んでいた
手に取ると体温であっという間に溶けてしまいそうで、すぐに口へ入れる
舌に力を込めると、中からガナッシュが柔らかく溢れ出した
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Aoi Sakura(プロフ) - リリさん» 嬉しいです!!コメントいただけると、頑張ろうって気持ちになります(*^ω^*)好きで書いているだけなのに、読んでくださってこちらこそ感謝です( ; ; ) (2016年11月2日 8時) (レス) id: b33f0b2f26 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして!とても面白くて更新されるたびドキドキしながら見てます^ ^更新頑張ってください! (2016年11月2日 2時) (レス) id: 0e61babc2b (このIDを非表示/違反報告)
Aoi Sakura(プロフ) - yumikaさん» コメントありがとうございます!嬉しいです*\(^o^)/*毎日更新できるように頑張ります(*^^*) (2016年11月1日 17時) (レス) id: b33f0b2f26 (このIDを非表示/違反報告)
yumika(プロフ) - 初めまして…これまでの作品も楽しく読ませていただいています!!これからの展開がとても気になります!楽しみに待ってますね! (2016年11月1日 15時) (レス) id: 4bf2dc240e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Aoi Sakura | 作成日時:2016年7月2日 1時