≪完≫いつでも、何度でも ページ39
あの顔が・・・好き?
さっきまでの幸福感が、ゆっくりと影を潜めていって、代わりにはてなマークが頭に浮かぶ。
あの顔が好きだと言われて喜んでいいのかわからない。
女としてー努力して美しい自分を褒められるのは幸せだ。でも、誰にも見られたくないあんな姿を、好きだ、と言われても。
「ねぇ、それってどういう意味?」
声に角が立たないよう、なるべく穏やかに聞いてみる。
「意味?」
私の質問に不思議そうにしながら、イェソンは首を傾げた。
「意味なんか、ないけど」
そうなの?
「じゃあ…どうして好きだと思ってくれたの?」
私は引き下がらない。いくら好きだと言われても、気になって夜も眠れない。
「そんなに気にさせるつもり、なかったんだけど」
必死な私に気がついたみたいで、彼は少し申し訳なさそうに言った。
気付くと、タクシーは宿舎の地下駐車場へ停車していた。イェソンが支払いを済ませ、車を降りる。
私がエレベーターの方へ歩き出そうとすると、イェソンはまだタクシーを降りた場所から動かなかった。
俯いて、じっとしている。
「イェソン、どうしたの?」
声をかけると、彼はこちらに近づいてきた。
「思い出してた、あの夜のことー Aはホントにすごく、美しかったんだ」
彼は柔らかい表情だった。低く掠れた声が、駐車場に小さく響く。
落ち着いていた胸が、またトクトクと鳴りだした。
「月夜に照らされたAの顔を見た時ーあれはたぶん、」
少しためらいながらも、イェソンは続けた。
「俺、一目惚れしたんだ」
じゃあー あのときにはもう・・・私たち、両想いだったんだね
「だから、そのあとでご飯に誘ったし、宿舎に呼んだ。Aがいつから俺を想ってくれてたかは分からないけど、俺は最初からずっと、好きだった」
「なんか、恥ずかしいよ」
「えー、Aが聞いてきたのに」
私たちは見つめあいながら、思わず笑った。
「なかなか言えなくて、ごめん」
そう言ってイェソンは、手を差し出してきた。その手をとると、私の大好きな温かさがぎゅっと伝わってくる。
「これからはいつでも何度でも、言うからー」
駐車場の薄暗いライトさえもロマンチックに感じてしまうほど、イェソンは私のことを、優しいまなざしで見つめている。
「A、好きだよー」
≪完≫
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Maiko☆SJ(プロフ) - うはぁ〜 マジこれ感激だわぁ(#^.^#) ホントにお話でした!! また 楽しみにイェソンで待ってますね☆ (2012年2月20日 22時) (レス) id: a7187d36ed (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - お疲れ様でした☆すっごくキレイなラスト!!目に浮かぶようでした!あ〜幸せです(*^^*) (2012年2月20日 6時) (レス) id: 88289c82ba (このIDを非表示/違反報告)
Maiko☆SJ(プロフ) - もぉ 終わっちゃうんですかぁ〜(T_T)☆ ラストまでがすごい楽しみです! 更新頑張ってください^^♪ (2012年2月9日 16時) (レス) id: a7187d36ed (このIDを非表示/違反報告)
Aoi Sakura(プロフ) - 皆様 メッセージありがとうございます!応援や楽しみですというコメント、嬉しすぎます!! 長々と続いてしまったけどいよいよラストなので、最後までお付き合いください★ (2012年2月8日 0時) (レス) id: 5237cd1ce2 (このIDを非表示/違反報告)
Maiko☆SJ(プロフ) - 「涙」のところメッチャ感動したぁ(#^.^#) 更新頑張ってください☆ 兄さんファイティン♪ (2012年1月30日 18時) (レス) id: a7187d36ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sakura Aoi | 作成日時:2011年12月28日 1時