Impatiens 4 (ページ7)

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今日は特別なゲストが来ています

そんなへチャンの声に誰だろう？と考えてしまう私は関係者席でもこっそりお忍び参戦だから彼等に気づかれていないはず

トロッコが来ても我を出さずペンライトもおしとやかに振っていたし何ならスケジュールの関係で1時間程しか観れていないのだから

わざわざ日本ドリショの為に来日したなんて悟られたらあの子達に引かれてしまうかもしれない

今までだっていつまでも子離れできない面倒な奴だとかブラコンだとか散々の言われようかもしれないのに

“ドヨンさ～ん”

キャーっと沸いた会場に映し出された人物に騒然としているのは私だけらしい

大好きなジェノの勇姿を見たい気持ちは凄くわかるし私だって日本スケジュールが入っていれば堂々と現れたよ

ご丁寧に振られたセクシーポーズをちゃっかりこなす姿を画面越しに見ながらどこにいるのかなと座席チェックに入ろうと思った矢先

“A” そう口パクで思いっきり左を指差すどよちが視界に入ったと思ったら画面に映し出されているのが私になっていた

俺は気づいてたよというような顔のへチ以外の可愛い子ちゃん達は“Aヌナ～？！”と叫んでいるからやっぱりバレていなかったのに

えぇ～？！というざわめきを生み出さずにすんだのに

“Aさ～んドヨンさんとけんかですか”

何で君はわかったの？と疑問だらけだけどヘチャンの可愛い日本語に破顔した私はやっぱり大画面に映し出されていて必死にお澄まし顔だよ

後ろに登場した人物によって一瞬で喧嘩説は消え去ったけどね

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SNSでは早い段階でAの存在はバレていたらしい

コンサートそっちのけで関係者席をチェックする人に捉えられていて“完全プライベート”ってことまで突き止められている

｢凄い執念だな｣

｢同じ穴の狢じゃん｣

草鈍器をブンブン振り回しながら可愛い弟達の晴れ舞台を幸せそうに眺めていた奴は夢っ子が絡むと情緒不安定になると有名だ

滞在時間約2時間

アンコールを聞く間もなく一緒に席を立ったAを突き動かすのは紛れもなく夢っ子達への愛情で最後に俺は幸せ者達を目に焼き付けた

無償の愛情を注ぎ続ける7人の弟達は彼女にとって本物の家族なんだとこんな時感じるんだ

｢明日拾ってもらう？｣

｢そっちの方が楽かな？｣

そんな会話をしながらスタッフさんに誘導される俺達に携帯を向けるシズニに“アンコール楽しんで”と声をかけるAはどこまでも弟達を愛している